ビョーク、ツアー中止について『ヴァルニキュラ』という野獣を野に放したかったと説明

(c)2015 Inez and Vinoodh. Image courtesy of Wellhart/One Little Indian

8月15日にフランスで開催されるラ・ルート・デュ・ロックや10月のピッチフォーク・ミュージック・フェスティヴァル・パリ、あるいは11月のアイスランド・エアウェーヴス・フェスへの出演を中止にしたビョークだが、その理由について新作『ヴァルニキュラ』を歌うことがあまりにも辛かったためだと説明している。

ビョークは春に『ヴァルニキュラ』を引っ提げたツアーをアメリカで敢行し、その後7月からヨーロッパ・ツアーを行ってきていたが、8月7日のイギリスのチャールベリー公演を最後にその先の出演予定をすべて「スケジュール的に調整ができなくなったため」中止にしたことを明らかにしている。

その後、ビョークは7日までのツアーへのファンの対応に感謝し、パートナーだったマシュー・バーニーとの別離をモチーフにしていた『ヴァルニキュラ』をあらためてステージで表現することがあまりにも辛かったこととすでに創作的にも新しいモードに入ったことを次のように報告している。

「昨日のコンサートについてはみんな全員に感謝したいです!!!!!! 今度のツアーについてはどれだけ感謝しているか、本当に言葉にしようがありません。スタッフのみなさん、興行のみなさん、ミュージシャンのみなさん、マネジメントのみなさん、デザイナーのみなさん、そしてわたしのチームのみんな、そしてオーディエンスのみんなに感謝です!!! 今回のライヴはわたしにとって本当にこれまでで最も崇高な瞬間ともなりました!! このアルバムを歌うということは本当に神経が擦り切れるような体験でしたし、ほかの作品と較べてわたしの身体の記憶や時間間隔も違うのです。この作品に関してはこの作品だけの扱い方みたいなものに従わざるをえませんでした。たとえば、(リリース前に)流出しちゃったことで即対応を求められたことや今回この先の公演を中止にしたことも、わたしの人智を超えたこの作品の性格によるものなのです。これまで頑張ってやってきたツアーの功徳がちゃんと反映されてみんなに許されるといいなと願っています。

わたしは新しい楽曲を書き始めていて、もうこの猛々しい野獣については野に放って好きにさせて、新しい道を行くのが自然な成り行きとして一番いいのではないかと思っています」