ポール・マッカートニー、"エボニー・アンド・アイヴォリー"について語る

ポール・マッカートニー、"エボニー・アンド・アイヴォリー"について語る

1982年の傑作ソロ・アルバム『タッグ・オブ・ウォー』を10月2日にリマスタリング再発リリースしたポール・マッカートニーだが、82年のリリース時に行ったインタヴューが動画で公開されている。

動画は特にスティーヴィー・ワンダーとの共演が話題を呼んで大ヒットとなった"エボニー・アンド・アイヴォリー"について語った発言を集めたものになっていて、黒人と白人の人種的融和を呼びかけるテーマやスティーヴィーとの共演の経緯などについて語っている。また、ポールは書いた当初、もう時代遅れな内容ではないかと思っていたことも打ち明けている。

そもそも、タイトルの"エボニー・アンド・アイヴォリー"はどう思いついたのかという問いにポールは次のように答えている。

「ずっと昔にある人が言っていたことから引いてきてるんだ。あるトーク・ショーでのことなんだけど、その人が言ったのは、ピアノでは黒い鍵盤と白い鍵盤とがあって、黒い鍵盤だけじゃだめで白いのが必要だし、白いのだけでもやっぱりだめで、どっちも必要だっていうことだったんだよ。黒と白の鍵盤を一緒にするとそこにハーモニーが生まれるんだってね。黒と白とは鍵盤では一緒にすることで完璧になるのだから、ぼくがこの曲で言おうと思ったのは、人も同じようにやってみたらどうだろうっていうことなんだよ」

さらにスティーヴィーとの共演については次のように説明している。

「エボニー(黒檀)とアイヴォリー(象牙)というテーマだったら、ぼくがアイヴォリーになるということになって、するとほかにもエボニーが必要になるし、誰がいいだろうと考えた時、スティーヴィー・ワンダーが一番いい選択だろうなと閃いたんだ。もしやってくれたらね。それでスティーヴィー・ワンダーに電話をして、こういうアイディアの曲をやってみる気はないかって訊いてみたら、やるって言ってくれたんだよ。それで(スタジオのあった)モントセラト島に来てもらって、そこでスティーヴィーはまた別な曲まで書いてくれたんだよね。スティーヴィーはジャム・セッションをたくさんしたがるから、その成り行きで出来たのが"ホワッツ・ザット・ユアー・ドゥーイン"という曲だったんだ」

また、この曲のテーマの人種間の融和や緊張についてポールは次のように語っている。

「この曲を書いた時には、実はもう黒人とか白人とかについて歌う必要なんかないんじゃないかと思ってたんだよ。もう、そういう問題は解決されちゃってるんじゃないかってね。最初に曲を書いたのは1年半くらい前で、これはもう時代に乗り遅れちゃった曲かもしれないなって思ったんだ。60年代に書かれるべきだった曲で、今さらって感じかなってね。でも、曲を書いてレコーディングしてみたあとでも、やっぱりよく見回すと、そういう緊張関係が今でも普通にあるんだよね」

「だから、単純に人種間のハーモニーについて歌ったものなんだ。もうそろそろそういうことが実現してもいい頃だと思うよね」

動画の視聴はこちらから。
http://www.theguardian.com/music/musicblog/2015/oct/02/paul-mccartney-on-the-making-of-ebony-and-ivory-video
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