2015年12月23日～24日の2日間、LUNA SEAによるファンクラブ限定ライヴ「SLAVE限定GIG 2015 The Holy Night -To The Next Dimension-」が行われた。RO69では、初日・2015年12月23日の模様をライヴ写真とレポートでお届けする。
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昨年から続いた25周年ツアーを駆け抜け、6月には初の主催フェス「LUNATIC FEST.」を成功させたLUNA SEAによる、「SLAVE限定GIG 2015 The Holy Night -To The Next Dimension-」。クリスマスシーズンの公演タイトルが新たな期待感も駆り立てるこのライヴは、LUNA SEAにとって数々のライヴやリリースのメモリアルな日付である12月23日と、クリスマスイヴのZepp DiverCity2デイズ。その初日を観させてもらった。
真矢（Dr）のドラムセットが電飾に煌めき、INORAN（G）のギターアンプ周辺にはキャンドルが灯された開演前のステージ上。SLAVEたちは手を打ち鳴らしてメンバーの名前を呼び、美しいクリスマスキャロルが鳴り響くと、ゆったりとした足取りで5人が姿を見せて大歓声に応える。さっそくステージの淵まで身を乗り出すSUGIZO（G・Vio）がギターをかき鳴らして披露されるナンバーは、こんな夜に相応しい“SLAVE”だ。RYUICHI（Vo）の張りと艶に満ちた歌声が伝い、J（B）、SUGIZO、INORANはくるくると立ち位置を変えてオーディエンスの表情を確認する。激しくグラインドする“TIME IS DEAD”で、フロアから上がる歌声もさすがに強烈だ。
「元気ですかー!? 半年ぶりのLUNA SEAで、盛り上がってるんだけどさあ。今日と明日、SLAVEひとりも被らないようにしてるのね。ひとりでも多くの人に観て欲しくて」と特別な2日間について説明するRYUICHI。「明日楽しみにしてる人もいるから、真矢くんがズボン脱ぎましたとか（笑）、書き込まないようにして欲しいんだよね。いい!?」と気配りを見せ、「23日ってほんと、LUNA SEAの日みたいになってきてるじゃん。これからも俺たちで、特別なことをやっていきたいと思います！」と宣言すると、狂おしさがほとばしる“Rouge”、またもや盛大なコールを巻き起こす“JESUS”、そしてSUGIZOがフリーキーなギタープレイをぶち込む“a Vision”と、新旧のアルバム曲を中心にステージを突き進めていった。
「ヤバいやついる？ いい意味でヤバいそれ？ 俺たちも25周年だよ！ 誰にも欠けて欲しくないんだよね！」とRYUICHIがオーディエンスの安全を気遣いつつ、「投票してもらった曲もあるし、久々の曲をいろいろ持ってきたから」とプレイされるのは、まずシングル『END OF SORROW』のカップリング曲“TWICE”だ。2本のギターフレーズがじっくりとせめぎ合い、大きなスケール感が描き出される。そしてラジオノイズの中から遠くRYUICHIの声が聴こえ、美しいCG映像を背負って披露されるのは“AURORA”だ。伸びやかなテナーヴォイスで、LUNA SEAのロマンチックサイドに浸る時間帯である。
ひとりヴァイオリンのフレーズを奏でてはSUGIZOコールを巻き起こし、バンド一丸になってディープなグルーヴとエモーションの中へと潜行する“RA-SE-N”。強烈なギター音響を自分の手足のように自在に操るSUGIZOのプレイも相まって、触れるたびに凄味を増してゆくナンバーだ。そこから衝動的な“BLUE TRANSPARENCY 限りなく透明に近いブルー”へと一気に跳躍すると、25周年ツアーや「LUNATIC FEST.」を振り返って「またああいうのやれたらいいよね。SLAVE FEST.とか。SLAVEが認めるバンドに、俺らがオファーしに行くの。あ、Jがメモってくれてる（笑）。やっぱそういうの、（目黒）鹿鳴館でやりたいよね。入れない人がいるって？ そんなの、俺たちが何十回でもやればいいんだよ！」と楽しそうにアイディアを飛ばしまくるRYUICHIである。
MC中の親密なムードから、急転直下に“Metamorphosis”のスリルへと飛び込む。この、笑いながらいつでも臨戦態勢と言わんばかりのムードは、奥深いキャリアが育んできた唯一無二のムードだろう。そしてINORANがRYUICHIに何やら耳打ちし、思い切りブライトに響くリフで歓声を誘う“TONIGHT”へ。SLAVEたちにたっぷりとコーラスが委ねられていたのは、INORANのアイディアだろうか。彼のイノセントなロックスピリットを垣間見た気がした。本編クライマックスはメジャーデビュー時期の楽曲の固め撃ちで、オーディエンスとの掛け合いを繰り広げる“Déjàvu”。そして“BELIEVE”では、息を合わせながら《優しさ ときめき あふれて》のフレーズを歌いあげるRYUICHIの頭に、ポンと撫でるように掌を置くINORANの仕草も微笑ましかった。
SLAVEが“きよしこの夜”を合唱して迎えたアンコールは、“FOREVER & EVER”からスタートだ。「えー、大事なお知らせ。俺たち5人で、新しいアルバム作ってます！」と嬉しい近況報告で2016年の期待感を膨らませるRYUICHIである。ツアースタッフやマニピュレーターに感謝の思いを伝えると、恒例の盛大なメンバーコールの一幕へ。真矢が「最近ドラムを叩いてると、みんながアレ？って顔するんだけど。大丈夫、履いてますよ！」とどこかで聞いた言葉で笑わせたり、Jがオフマイクで「一番おっきな声で！」とコールを要求したりする。
RYUICHIは、「LUNA SEAのファンって行儀正しいって言われるんだけど、行儀正しくぶっ壊れてていいからね！ 犯罪にさえならなきゃ、何やったっていいんだ。これからもLUNA SEAをよろしくね！」と伝える。その直後、またもや一瞬で凄まじい緊迫感をほとばらせる“ROSIER”では、ひた走りながら台詞パートを繰り出したJがマイクスタンドをぶん投げるほどの過熱ぶりを見せていた。そしてじっくりと“White Christmas”が奏でられると、最後には“WISH”のシンガロングで大団円へ。ステージ上の5人が、またフロアのSLAVEが手を繋ぎ、歓喜の一斉ジャンプで特別な一夜を締めくくるのだった。（小池宏和）
●セットリスト
01. SLAVE
02. TIME IS DEAD
03. Rouge
04. JESUS
05. a Vision
06. TWICE
07. AURORA
08. VI Solo ～ RA-SE-N
09. BLUE TRANSPARENCY 限りなく透明に近いブルー
10. Metamorphosis
11. TONIGHT
12. Déjàvu
13. BELIEVE
（encore）
14. FOREVER & EVER
15. ROSIER
16. White Christmas
17. WISH
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なお、翌日の公演、2015年12月24日のアンコールにて、2016年12月23日（水）、24日（木）の2日間にわたって、さいたまスーパーアリーナ公演を行うことが発表された。チケット発売等に関する詳細は後日発表される。
●ライヴ情報
2016年12月23日（水･祝） さいたまスーパーアリーナ
2016年12月24日（木） さいたまスーパーアリーナ
