”剥き出し”のスガ シカオに触れた、聖夜のアコースティックナイトをレポート!衝撃の最新AL曲もいち早く堪能!
2015.12.27 21:16
2016年1月20日に、10枚目のオリジナルアルバム『THE LAST』のリリースを控えたスガ シカオ。その新作の生ライブ試聴会を含むライヴツアー「SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015 『THE LAST』」が、大阪、福岡、東京の3会場にて行われた。RO69では、2015年12月25日に行われたZepp DiverCity公演の模様をライヴ写真とレポートでお届けする。
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定刻から10分ほど押して客席の電気が消えると、ステージのスクリーンに、2016年1月20日にリリースされる、スガ シカオ10枚目のオリジナルアルバム『THE LAST』の告知コメントが映し出される。「J-POPになる前のスガ シカオ」「FUNKでもなく、ROCKでもない“剥き出しのスガ シカオ”」。アルバムへの期待が大きく膨らむコメント、観客は静かにその言葉を追う。そう、今夜のライヴは、この新しいアルバムの曲をいち早く生演奏で試聴するという嬉しい趣向の第一部、そしてアコースティックセットでの第二部という二部構成で行われた。
冒頭の告知映像の後、スガ シカオが登場し《いつもふるえていた/アル中の父さんの手》とおもむろに歌い出す(〝ふるえる手″)。衝撃的だった。日本のポップソングの歌詞として、歌い出し一行だけで心臓をギュッとつかまれるようなものにはなかなか出会えないが、この歌い出しには井上陽水〝傘がない″に匹敵するほどの衝撃を感じた。曲が終わっても、拍手をすることさえできないほど。続く2曲目〝大晦日の宇宙船″での、年末の浮かれ感を引きちぎるようなヘヴィな演奏にも度肝を抜かれる。轟音が祝祭ムードを切り裂いていく。《それは未来への/不穏なカウントダウン/背筋凍るカウントダウン》とスクリーンに映し出される歌詞が、演奏とシンクロしながら脳裏に焼き付く。
「アルバムの曲を全部やるつもりで練習してきましたが、宣伝部の一番えらい人に、全部やってしまうとお客さんが満足してCD買わなくなっちゃうんで全部はやらないでって言われまして」と語っていたが、それでも収録曲中7曲が披露され、すべての曲、すべての歌詞が恐ろしいほどに研ぎすまされていた。拘束具をすべて脱ぎ捨てたような、本来の彼の言葉と演奏に、アルバム『THE LAST』が事件とも呼ぶべき問題作となる予感をひしひしと感じた(できることなら、すべての曲についてレヴューしたいけれど、それはまた別の機会に)。
強烈な余韻を引きずったまま、ライヴはメインの第二部へ。セットチェンジ(と言っても5分ほど)後、アコースティックギター1本で歌う〝アイタイ″でスタート。MCでの「いつもはライヴでみんなに罵声を浴びせてますが、今日はクリスマスだから、そういうのはないぜ」という言葉に客席からは「ええ〜」という残念そうな声も。アコースティックセットとはいえ、〝Party People″では、ソプラノサックスも入り、大いにダンサブルに盛り上げてくれる。そして「個人的にすごく好きな曲で、最近ずっとやっていなかったんですけど」と言って〝宇宙″を披露。キーボードのゆったりとした演奏のみをバックに、彼の少しハスキーで切ない声が響き渡っていく。さらに圧巻だったのは、JUON(FUZZY CONTROL)と2人でアコースティックギターを弾きながらの〝黄金の月″。JUONの波のように美しいアルペジオとスガの語りかけるようなヴォーカルに、会場中が息をつめて耳を澄ます。なんという贅沢な時間。終盤は「若干、アコースティック(という主旨)からはズレるでしょうが」と言いながら、〝19才″〝コノユビトマレ″と最強にファンキーなグルーヴでしっかり踊らせてくれて、〝Progress″〝青空″と、伸びやかな歌声を響かせて本編は終了。
アンコールは、スガのギターが軽快なダンスナンバー〝午後のパレード″から。全員が白フチのサングラスを着用して、突然夏モード。そのテンションで〝91時91分″へと突入。どんどん上り詰めていくような演奏に、客席の熱狂も最高潮。そして「クリスマスっぽい曲をやろうと思ったけど、クリスマスはそんなに好きじゃないし」なんて、なんとも彼らしい言葉のあとに、「でも、せっかくなので冬の、12月の歌を最後に」と〝Cloudy″を。衝撃も痛みもすべて受け止めたあとに降る清らかな雪のようなこの曲が、なんとも今夜のエンディングにふさわしい。
アコースティックというだけあって、いつにも増してスガ シカオの声が直接耳に突き刺さってくるような、あたたかくて胸が痛くて、それでいてしっかり熱い、本当に素晴らしいステージを魅せてくれた。この日(と翌日26日)のライヴの模様は、2016年2月28日(日)夜9時からWOWOWで放送されるらしいので、見逃してしまった人はそちらをお楽しみに。そして、新作『THE LAST』。これは本当に聴き逃し厳禁の要注意アルバムです。(杉浦美恵)
●セットリスト
<第1部>ニューアルバム『THE LAST』生ライブ試聴会
01. ふるえる手
02. 大晦日の宇宙船
03. あなたひとるだけ 幸せになることは 許されないのよ
04. オバケエントツ
05. 愛と幻想のレスポール
06. 真夜中の虹
07. アストライド
<第2部>ACOUSTIC NIGHT
08. アイタイ
09 .フォノスコープ
10. Party People
11. 宇宙
12. コーヒー
13. 夜空ノムコウ
14. 黄金の月
15. そろそろいかなくちゃ
16. LIFE
17. 19才
18. コノユビトマレ
19. はじまりの日
20. Progress
21. 青空
(encore)
22. 午後のパレード
23. 91時91分
24. Cloudy
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