UVERworld、バンド史を振り返るクリスマス武道館ライヴレポ!激レアな過去曲を最新&最強モードで連打!
2016.01.01 12:00
2015年12月25日、UVERworldの日本武道館公演が「UVERworld“15&10”Anniversary Tour」の一環として行われた。RO69では、この模様をロングレポートにてお届けする。
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「UVERworld“15&10”Anniversary Tour」の終盤にして、8年連続のクリスマス武道館ライヴ。ステージを360°取り囲む客席は最上段までみっちりと埋まり、スクリーン上で刻まれる開演カウントダウンに合わせて、観客は一斉に声を上げていた。ライヴスタッフやカメラクルーまでがサンタ衣装に身を包む、スペシャルな一夜の幕開けだ。真太郎(Dr)恒例ドラムソロの中で誠果(Sax・Manipulator)がハンドクラップを煽り、信人(B)、克哉(G)、彰(G・Programming)が姿を見せる。そしてTAKUYA∞(Vo・Programming)は、「2015年クリスマスライヴ、のっけから、頭からぶっ飛ばそうぜーっ!!」と意気込みをほとばしらせるのだった。
サックスの旋律と巨大なトーチが吹き上がる“ナノ・セカンド”に続いて、オーディエンスの嬌声を誘うイントロは“Colors of the Heart”。夢見心地なシークエンスとバンドサウンド、歌いっぱなしの大合唱が渾然一体となってゆく。今回のツアー後半に解放された、過去曲中心のセットリスト。序盤には、重苦しい視界を抜けて舞い上がる“Roots”や、迷いなくひた走る“浮世CROSSING”で上昇線を描き出していった。「デビュー10周年、結成から15周年、だからこのツアーはUVERworldの歴史を振り返ろうって、過去の曲をやってるの」と、あらためて説明するTAKUYA∞である。
「俺たち、今まで600曲ぐらい作って、そのうち200曲をリリースしました。ツアーでいろいろ聴き直してみて、いい曲もたくさんあったけど、適当に作った曲もたくさんあったよ(笑)。音楽なんだからいいだろ? 楽しくなきゃ嘘だよ!」と告げて披露されるのは、アルバム『LAST』収録の“ハイ!問題作”。地元へ帰省した時のエピソードを綴ったぶっちゃけた歌詞がライヴの楽しさを膨らませる。メッセージ性豊かなアルバム曲が過去曲ライヴのモチベーションを支えている一方で、「この曲を聴きたい人がたくさんいるなら、歌いたいと思った」と“君の好きなうた”など往年のシングル曲ももちろんプレイされる。
「クリスマスライヴ、8回とも来てるって人いるの? ああー、俺と一緒やね!」という真太郎のMCタイムに続いては、憤りのエネルギーが立ち上る“99/100騙しの哲”や、オーディエンスとの猛烈な掛け合いコーラスを繰り広げる“GROOVY GROOVY GROOVY”だ。アニバーサリーを祝って楽しむというムードはもちろんあるのだけれど、決して緩いムードではない。あの6人は、なぜ真剣そのものの表情で、嵐のようなロックアンサンブルを巻き起こし続けているのだろうか。“ハルジオン”のような美曲でさえ、思いの強さ/生々しさを描き出すように、ドキリとさせられるほどの爆音でプレイされていた。
インディーズ時代のライヴを振り返りながらの“SHINE”はシングル『CHANCE!』のカップリングだったが、その“CHANCE!”は、今年の『I LOVE THE WORLD』に収められたインディーズ時代のアレンジ再現版=“CHANCE!04”だ。「想像してくれよ。無名のインディーズバンドが、こんな曲をやっていたらどう思う? あなたがソニーの社長や社員だったら、どう思う!?」と問いかけて、メジャーデビューに繋がった道程を追体験させようとするTAKUYA∞である。
「彰、お前もっとこっち来いよ!」と呼び寄せ、奏でられるアコギの同一コード進行で次々に名曲を披露してゆくコーナー。一青窈“ハナミズキ”→秋川雅史“千の風になって”→誠果のハーモニーも映える山下達郎“クリスマス・イブ”と続いた後に、「いつもここでAKB48の“恋するフォーチュンクッキー”を歌ってたんだけど、今日は歌わねえ! もっとテンポ上げて! “フォーチュンクッキー”は歌わねえ!」という前振りから“ヘビーローテーション”で大歓声を誘うという展開だ。そしてこの曲に込めたメロディと歌詞に自信があればこそ、という同じコード進行の“7日目の決意”を歌いながら、TAKUYA∞はステージ裏(北)側の通路を練り歩き、ファンと触れ合っていた。
“LIFEsize”ではテープキャノンが放たれ、たゆまない反骨精神と共に“WANNA be BRILLIANT”を繰り出すと、“I LOVE THE WORLD”が今この時を抱きしめるために盛大な歌声で分かち合われる。これまでの道程の中で出会った仲間たちを失いたくない、そんな祈りを込めた“PRAYING RUN”もまた、今回のセットリストの中で物語の一部を担うようだった。本編のラストスパートで“IMPACT”が最大級の沸騰を見せると、TAKUYA∞はファンと青春を共にした過去の楽曲を否定するわけではなく、さまざまな経験がひとつに繋がって実を結び始めた今だからこそ、もう少し新しい自分で勝負したい、と語って喝采を浴びる。始まりの合唱“Ø choir”は、次のスタートラインに立つ6人とファンを照らし出すようだった。
その後、スクリーンには一人のファンから寄せられたメッセージが映し出される。昨年のクリスマス前に火事で住む家を失い、かつて亡くなった母が残してくれたものもすべて失ってしまったこと。UVERworldのクリスマスライヴのチケットだけは手元に残っており、母に後押しされた気がして当日のライヴに参加したこと。アンコールに応えた6人は、そのファンからのリクエスト曲である“哀しみはきっと”と“在るべき形”の2曲を披露し、今回のステージを締め括った。TAKUYA∞は、「たまたま目に付いちゃったからさあ」と告げていたが、UVERworldの歌が支えるものの大きさと重さが、そして6人が作品やステージに込める覚悟が、ありありと伝わる一幕だ。彼らがなぜ、あんなにも真剣な表情でアニバーサリーライヴを繰り広げていたのかが、少しだけ、分かった気がした。(小池宏和)
●セットリスト
THE ONE (SE)
01. ナノ・セカンド
02. Colors of the Heart
03. Roots
04. 浮世CROSSING
05. ハイ!問題作
06. 君の好きなうた
07. 99/100 騙しの哲
08. GROOVY GROOVY GROOVY
09. EMPTY96
10. DISCORD
11. ハルジオン
12. SHINE
13. CHANCE!04
14. 心とココロ
15. 7日目の決意
16. LIFEsize
17. Massive
18. WANNA be BRILLIANT
19. I LOVE THE WORLD
20. Collide
21. PRAYING RUN
零HERE~SE~
22. IMPACT
23. Ø choir
(encore)
24. 哀しみはきっと
25. 在るべき形
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