今回、RO69ライターに、2015年を振り返って“この1曲”を選んでもらいました!
ライター高橋智樹が選ぶ「2015年この1曲」はGLIM SPANKY “大人になったら”。
昨年春に配信リリースされ、アルバム『SUNRISE JOURNEY』にも収録されました。
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【GLIM SPANKY “大人になったら”】
70代のポール・マッカートニーが来日しロックを響かせる時代においては、「ロックは若者の音楽」「Don't trust over 30」という視点でロックを聴く人のほうがむしろ少数派だろう。それでも、「焦燥」「苦悩」「反抗」など少年的/少女的な感情を糧として新たなロックが生まれ続けていることは、蒼く未完成な感情とロックとの親和性の高さを何よりリアルに証明している。
そんな中、60〜70年代ロック直系の骨太サウンドとジャニス・ジョプリンばりの歌声越しに、GLIM SPANKYは《この世の全ては/大人になったら解るのかい》と問いかける。一見「若者世代のルサンチマンの発露」的なこのフレーズはしかし、「大人も子供も、正解など知らない『永遠の探求者』である」という真実を実に鮮やかに射抜いてみせた。
20代中盤のふたりが鳴らすロックバラードは、42歳の筆者の心に真っ直ぐ飛び込んできたし、50代・60代になっても聴き続けられる曲だと感じた。逆に、GLIM SPANKY自身が40代・50代という「大人」になった時に、より強く深くこの曲を歌えるはずだ。無限のトライ&エラーを繰り返し「その先」を目指す者は、少年少女も大人もロックの前に平等である――ということを示した重要な1曲だ。
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なお、年末にはライター3人にコラムで2015年を振り返ってもらいました。
こちらもぜひご覧ください。
高橋智樹編
http://ro69.jp/news/detail/136448
小池宏和編
http://ro69.jp/news/detail/136649
杉浦美恵編
http://ro69.jp/news/detail/136534