DIR EN GREY、新作の真髄、ここに極まる!未来への期待高まる武道館レポ!

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2016年2月5日、6日、DIR EN GREYの日本武道館公演「ARCHE」が行われた。RO69では、この2日目・2016年2月6日の模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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日本武道館の「ARCHE」。DIR EN GREYがアルバムタイトルをそのまま用いた武道館2デイズを行うということは、そのシーズンがいよいよ集大成を迎えるということである。その2日目の模様をレポートしたい。デヴィッド・ボウイ“Five Years”がほぼフルコーラスで鳴り響いて客電が落ちると、最初に姿を見せた薫(G)が幻惑的なギタープレイをなびかせる。次いでDie(G)がサウンドを膨らませ、Shinya(Dr)とToshiya(B)のボトムが加わると、重厚なシンフォニーのように“and Zero”が立ち上がるオープニングだ。そして最後に漆黒のケープを纏った京(Voice)が姿を見せる。

京のクリアなテナーヴォイスが歌い出す“空谷の跫音”は、サウンドの広がりと共に、楽曲の芯の部分がぼやけることなく伝わってくる。続く“Behind a vacant image”では、昂ったスクリームを合図とするように、鋭いコンビネーションが立ち上がっていた。極めて有機的な演奏で、楽曲が生き物であることをまざまざと見せつけるようだ。“Sustain the untruth”や“鱗”の鮮烈なフックはオーディエンスの歌声を導き、視界一杯のヘッドバンギングを巻き起こして最初のピークを作り上げて行く。

Shinyaのビートに不穏なフレーズが絡み付き、冷めたミニマルグルーヴを描き出してゆく“Phenomenon”のムード。Dieが悲鳴のようなギターサウンドを放つ“てふてふ”の後には、ハイトーンヴォイスの旋律がドラマティックな印象を残してゆく“輪郭”が披露される。音の情報量は多いのだが、混乱や狂気に苛まれながらも命の手綱をしっかりと握る、そんな『ARCHE』のしなやかな意志の形が、以前よりも明瞭に伝えられるようだ。

大量のCO2ガスが吹き上がると、“禍夜想”に“咀嚼”といったソリッドな楽曲群が畳み掛けられてゆく。“Midwife”のハードコアな音像と愛憎入り混じった命の誕生の強烈なイメージは、個人的にはこの夜のハイライトであった。京が「かかってこおおおい!!」と渾身のシャウトで煽り立てる“Cause of fickleness”から、火柱が立ち上がる“Chain repulsion”、そして家族の陰惨なドラマをスクリーンに映し出しながらの“Revelation of mankind”といったナンバーで駆け抜けていった。オーディエンスが怒号のような歌声を上げる“The inferno”で、熱狂の渦のうちに本編は幕を降ろす。

アンコールの催促に応えると、フォーキーで豊穣なアンサンブルを奏でる“濤声”が、こんなにもいい曲だったのか、と改めて新鮮な感動を呼び起こしてくれる。過去のライヴのスライドショーを背負った“THE FINAL”の後には、『VULGAR』から“OBSCURE”や“MARMALADE CHAINSAW”が繰り出され、コール&レスポンスを巻き起こしつつ、“激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇”の巨大なシンガロングへと向かっていった。

「今から始まる、お前らと俺らの、新しい未来に向けて……ラストォォ! お前ら、声聞かせてくれ!!」というクライマックスの叫びが導くのは、《大地を蹴り進め》のメッセージが力強く迸る“Un deux”だ。ありとあらゆる負の感情を吸い上げ、音に変え、その上でこのメッセージを放つDIR EN GREYの姿が、激しく胸を打つ。『ARCHE』のシーズンを振り返るようにこれまでのライヴ日程が映し出される中、5人は思い思いに、笑顔を見せながら、オーディエンスと感慨を共有していた。

終演後、DIR EN GREYの2016年のアクションとして、7月にニューシングルがリリースされること、また秋からは「TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ 」というシリーズライヴとして、第1弾『VULGAR』、第2弾『DUM SPIRO SPERO』、第3弾『鬼葬』の各アルバムをテーマにしたツアーも順次行われることが、映像告知された。拭いきれない痛みと何度でも向き合いながら、DIR EN GREYは未来を描き出そうとしているのだ。(小池宏和)

●セットリスト

01. and Zero
02. 空谷の跫音
03. Behind a vacant image
04. Sustain the untruth
05. 鱗
06. 懐春
07. Phenomenon
08. てふてふ
09. 輪郭
10. 禍夜想
11. 咀嚼
12. Midwife
13. Cause of fickleness
14. Chain repulsion
15. Revelation of mankind
16. The inferno
(encore)
01. 濤声
02. THE FINAL
03. OBSCURE
04. MARMALADE CHAINSAW
05. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
06. Un deux

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