2015年から活動している2o Love to Sweet Bulletは、知れば知るほど驚かされるグループだ。最新シングル『ひとりじめしたい』のクレジットを調べてみると、マイケル・ジャクソン、エミネム、アウトキャスト、リンキン・パークなど、挙げていくとキリがないくらい錚々たる面々の作品を手がけてきたBrian “Big Bass” Gardnerがマスタリングエンジニアであるという事実が判明して仰天! そして、なんとプロデューサーは、DIR EN GREYの育ての親であるダイナマイト・トミー! 昨年リリースされたシングル『そこで叫んで私に教えてほしい』には、ニルヴァーナのカバー“Smells Like Teen Spirit”が収録されているし、エアバンドをバックに従えてライブをしていたり、焼肉屋でのライブを予定していたり……意表を突くことだらけの2o Love to Sweet Bulletとは、一体何者なのか? ありのままの自分たちの姿で勝負をして、勇気を持って新しいことに挑戦し続けるのを信条としているのだという彼女たちにインタビューをした。
インタビュー=田中大
気づいたらグループに入っていました(笑)(藤野)
――結成は2015年ですが、もともとSWEET BULLETというグループがあって、そこに藤野さん、新城さんを含む新メンバーが加入したんですよね?
藤野志穂 はい。私たちは何も知らずに雑誌の撮影に呼ばれて、グループに入ることになりました。入るって知ってた?
新城真衣 知らなかった。
藤野 現場で「『2o Love to Sweet Bulletです』って言ってください」って言われたので、その通りに言ったんです。そして、気づいたらグループに入っていました(笑)。
新城 急に入ることになって、いろんなレッスンとかも始まったんですけど、最初の頃は怖かったです。私は歌ったり踊ったりするのがもともと好きだったわけではなくて、人と接するのも苦手だったので。
藤野 最初に私たちが聞いていたのは、「『SWEET BULLET』を『2o Love to Sweet Bullet』として新しくやり直す」っていうことくらいでした。
――三田さんは、2o Love to Sweet Bulletの活動が始まってすぐに加入したんですね?
三田佳凛 はい。私がもともと入っていたグループで仲が良かった女の子が先に加入していたんです。面接の時に「愛と平和を届けるグループです」みたいな、ふわっとした説明を受けて、どういうことなのかよくわからなかったんですけど(笑)。
――(笑)その直後に加入したのが、山広さんと伏見さん?
山広美保子 はい。ライブを見学したら「とりあえず出ちゃおう」って言われて、ステージにそのまま出ることになって挨拶だけしたんです。突然のことでびっくりしました。
――巻き込まれるかのように加入したメンバーばかりですね(笑)。伏見さんも、そういう加入の仕方だったんでしょうか?
伏見莉穂 私の場合は「このグループはふわふわ系だから、オーディションを受けてみたら?」って勧められたのが加入のきっかけです。私はもともとグループで活動していたことがあるんですけど、ダンスがあまり得意じゃなかったんですよね。でも、トゥラブに入ってみたら、ライブがすごく楽しいと感じるようになりました。
――一之瀬さんは今年の3月の加入ですね。
一之瀬夢 はい。お姉ちゃんがオーディションを見つけてくれたんです。オーディションの時に運営スタッフさんから「うちのメンバーは、喋りかけにくい女の子が多いから」って言われていたんですけど、入ってみたら本当にその通りでした(笑)。でも、みんな優しいです。私だけが騒がしいタイプなので、ひとりだけ目立っちゃうんですよ。
――大空さんは今年の5月の加入ですが、トゥラブに入りたかったんですよね?
大空美月 そうなんです。トゥラブは最初の頃から知っていて、ライブも観に行っていたんです。曲もメンバーも、全部が好きでした。楽しそうにライブをやっているところもいいなあって。実際、入ってみたらライブがすごく楽しいです。
藤野 重低音の曲が多いので、ライブではコールやミックスを打ってくれるお客さんもたくさんいて、とても盛り上がるんですよ。
――現在のみなさんの音楽性は、EDM、ユーロビート、トランスとかのテイストがあるサウンドが特色となっていますよね。
藤野 はい。去年頃から、そういう感じになっていったんです。それまでは「眺め系」って言っていたんですけど、重低音に切り替わってからお客さんに沸いていただけるようになりました。
大空 私はEDMが大好きなので、こういう曲は楽しいです。EDMって、とにかく「盛り上がる」っていうところが魅力だと思いますね。私、マーティン・ギャリックスが大好きなんです。早くEDMフェスとかに行ける年齢になりたいんですよ。YouTubeとかで動画を観て我慢しています。
――大空さん以外のみなさんは、どういう音楽が好きなんですか?
山広 私はアイドルですね。乃木坂46さん、欅坂46さんとか。曲もいいし、歌詞もすごくいいなと思っています。
藤野 私はBUMP OF CHICKENさんが好きです。「バンドやってみたいなあ」って思ったこともあって、家にアコギとピアノがあるんですけど、放置しています(笑)。
新城 私は、特に「これが好き」というのはないんですけど、アイドルさんの音楽は聴きますね。
三田 私も、その時に「いいな」と思ったのを聴く感じです。
一之瀬 私はアニメ系の音楽とか、SHE IS SUMMERさんが大好きです。
伏見 私は静かな曲調で、歌詞が悲しいのが好きです。電車に乗って窓の外を見ながら、ひたすら悲しい音楽を聴くのが気持ちいいんですよね。
「嘘は良くない。嘘をつくと顔に出るから」と教えてもらっています(藤野)
――新城さんと伏見さんのユニット「ぐだぐだ組」は、“Smells Like Teen Spirit”や“Lithium”とか、ニルヴァーナのカバーをしているんですよね?
新城 はい。急に歌うことになりました。
伏見 英語の曲なので、最初は難しかったです。私、カラオケで歌ったことがあります。
藤野 そうなの?
伏見 うん。
新城 聴きたいんだけど(笑)。
伏見 カラオケで歌って練習していました。英語が読めなくて、カタカナにして一生懸命覚えたんですけど。
――ロックが好きなお客さんからの反応は、あるんじゃないですか?
伏見 はい。ニルヴァーナが好きなお客さんもいますね。
――みなさんのプロデューサーがダイナマイト・トミーさんだというのも、ロックファンから注目を集めるポイントでしょうね。トミーさんからロックについて教えていただいたりしています?
藤野 ロックのお話は特にしていないですね。ロックなところはトミーさんにお任せしています。
――みなさんは、ものすごい数のライブをやっているじゃないですか。無意識の内にライブハウスで叩き上げるロックバンドと同様の道を歩んでいるんだと思いますよ。
藤野 どうなんでしょう? でも、ライブはたくさんやっていますね。今もリリースイベントをやっている期間なので、ほぼ毎日ライブをやっています。
――ライブで大事なのは、なんだと思っています?
藤野 「自分たちのそのままを出す」ということだと思います。
――取り繕ったり、飾ったりするのではなくて、ありのままの自分たちで勝負するっていうことですかね?
藤野 そうですね。トミーさんにも「嘘は良くない。嘘をつくと顔に出るから」と教えてもらっています。
山広 私たちの曲の音は結構激しいので、ライブが始まるとものすごい一体感が生まれるんです。そういうところも大事にしています。
新城 ライブが盛り上がると、やっぱり嬉しいですし。
大空 私たちは、チームワークもすごくいいと思います。ライブで「ここはおかしいな」っていうところがあったら、お互いに伝え合うようにもしています。
三田 ライブってメンバーが全力でかかっていくと、ファンのみなさんもそれに対して全力で応えてくださるんですよね。そういうところが私は好きです。
一之瀬 ライブは毎日違うものになるので、そこも楽しいですね。お客さんのテンションによっても、私たち自身のテンションによっても、ものすごく変わるので。
藤野 やっぱり一番大切なのは、自分たち自身が楽しむことなんだと思います。そういうのも観ているお客さんに伝わるので。自分たちが楽しんでいると、ファンのみなさんも一緒に楽しんでくれるというのをいつも感じています。
山広 ライブが始まる前は、いつもスイッチを入れるようにしています。気合いを入れるためにメンバーに背中を叩いてもらったりもしていますね。
大空 変に緊張しすぎないのも大事だと思います。
伏見 私は、ライブでは笑うように心がけています。笑うと自然体になれるんです。
新城 私は、ライブの前の日にたくさん寝るようにしています。
三田 ライブ中にファンのみなさんの顔をしっかり見るのが大事だと私は思っています。そうしたほうが感情がきちんと伝わるので。
一之瀬 ライブに限らず、普段からリリイベとかも含めて全力でやるのが大事ですね。リリイベで2曲とかだけやっても、私たちは汗がすごいんですよ。