ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー、初ジャパン・ツアー完走! 2/23武道館公演レポート

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー、初ジャパン・ツアー完走! 2/23武道館公演レポート

全米・全英チャートで1位を獲得したセカンド・アルバム『サウンズ・グッド・フィールズ・グッド』を引っ提げ、2月19日から23日にかけて名古屋・大阪・東京の3都市を回る初のジャパン・ツアーを敢行したファイヴ・セカンズ・オブ・サマー。

RO69では、同ツアー千秋楽となった23日、東京・日本武道館公演のオリジナル・レポート記事をお届けします。

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【ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー @ 日本武道館】

ほぼ1年ぶりの再来日で日本ツアーを実現させたファイヴ・セカンズ・オブ・サマーだが、武道館公演はその人気の本格化を証明する熱気に満ちていたし、その楽曲とパフォーマンスは揺るぎない実力を備えていることもみせつける内容となった。

会場はかなりの女子率で、客電が落ちると耳をつんざくような歓声が上がり、のっけからものすごい熱気に会場がむせかえっていく。ワン・ダイレクションやジャスティン・ビーバーでならこうした空気も当たり前だと特に気にもならないのだが、仮にも洋楽のロック・バンドでこういう盛り上がりに最後に出くわしたのはいつだったのかもう思い出せないくらい久しぶりのことだったのでとても感慨深かった。

イントロの演奏に引き続いてオープナーを飾ったのは"Hey Everybody!"で、どこかで聴いたことのあるようなフレーズ(デュラン・デュランの"Hungry Like The Wolf")をつかみとしながら、超ポップでオリジナルなコーラスが爆発するという5SOSの最も得意とする王道ナンバーで、いきなりこのバンドのポテンシャル炸裂。しかも、ライヴの序盤だけにお客さんのヒートアップぶりもものすごく、メンバーのスポットライトがほかのメンバーへと移っただけで絶叫が巻き上がっていくというとてつもない熱狂ぶりなのだ。しかし、その一方でこの曲で歌われる歌詞はただおめでたいだけのものではなくて、若さゆえのかつかつな状態を乗り越える勇気を訴えるものだということに心揺さぶられる。「こんなふうに生きなくても別にいいんだ」というメッセージをどこまでポップなロック・ソングとして訴えかけていくことで、これだけのニーズが生まれているという現場を目撃してとても感銘を受けた。

続いては一目ぼれしたファンの女の子にどうにもでもしてくれと歌う超ポップ・パンク・アンセム"Money"へとなだれ込み、初期のEP曲でUKギター・ロック的な"Disconnected"やファーストの"Don't Stop"を挟んでセットの中盤過ぎまで怒濤の勢いでセカンドの楽曲のみで押しまくる。5SOSがシングル・ブレイクした後にワン・ダイレクションの前座を務めて、ファースト・アルバムがその後大ブレイクを果たしたことを考えれば、ファーストやブレイク時のEPの楽曲を大事にしてもっとセットの前面に打ち出してきたとしても無理はないのだが、中盤過ぎまで最新作のセカンドで押しまくってきたところにまったく物怖じせず今自分たちが掴んでいる勢いにひたすら乗ってみせる現在進行形のバンドの意気を感じてとても痛快だった。

終盤はグッド・シャーロットのベンジーとジョエル作曲の"Amnesia"に始まってファーストのナンバーをぶつけてくるのだが、終盤で出色の出来だったのは"Voodoo Doll"で、どこかビートルズ的でもありパワー・ポップ的でもある強力なメロとコーラスはただ圧倒的。演奏の厚みも実に迫力に満ちていて素晴らしかった。締めはセカンドからの"Permanent Vacation"、そしてザ・ロマンティックスの"What I Like About You"のカヴァーで、このカヴァーもまた極上の出来。もともとYouTubeでカヴァーを公開して注目されて活動が本格化したバンドだけに、好きなカヴァーでセットを締めるというのが原点確認となっているのだろう。

アンコールはセカンドの"She's Kinda Hot"、バンドの出世曲となった"She Looks So Perfect"となったが、それにしても、ポップ純度が高すぎて、確かにこれはポップ・パンクだとわかっていても、なんかそうともいい切れないところがとても新鮮だった。かといって、ポップ・ロックなのかというとそれもまた違う。5SOSがすべてDIYでここまでやってきたところは確かにパンクなのだが、YouTubeから1Dの前座へ、そして今へという歩みがあまりにも時代とシンクロしていて新しいのだ。もちろん、このあまりにも明解な楽曲群を書いてしまえる才能と不屈の信念があればこそ可能となることだが、このあまりにも屈託のない4人の演奏はこれまでちょっと観たことのない光景だったように思えて、とても印象的だった。(高見展)

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