アゲインスト・ミー!のヴォーカルで性別移行者として知られるローラ・ジェイン・グレイスは5月15日にノースカロライナ州ダーラムで行われたライヴで自身の男性としての出生証明書をライヴ中に燃やすという抗議パフォーマンスを行った。
パフォーマンスはノースカロライナで成立した反LGBT新法への抗議として行われたもので、この法律では性的指向や性的アイデンティティを理由とする差別を合法化するもので、LGBT市民への保護を目的する今後の法案の成立を妨げるものともなっている。また、公共施設のトイレやロッカールームなどについても生来の性別以外での使用を禁じることを合法化するものになっていて、通称「トイレ法」あるいは「HB2法」として大きな批判を集めてきている。
これまでブルース・スプリングスティーン、リンゴ・スター、パール・ジャムらがこの新法に抗議してノースカロライナでの公演を中止してきたが、ローラは違った形で抗議したいと4月に次のようにバズフィードに語っていた。
「ライヴに関連してイヴェントを行って、どんなバカな法律を通過させたとしても性移行者のみんなは怯えたりしないと訴えるような抗議をしようと思ってるの。誰のことも追い払うことはできないんだって」
実際のパフォーマンスでローラは自分の出生証明書に火をつけて燃やし、「性別にさようなら」と宣言してみせた。また、ローラはこの法律をトイレット・ペーパーに印刷してみせていて、その画像も自身のインスタグラムに上げている。なお、ローラは2012年に性同一性障害を明らかにし、性別を移行することを表明。名前もそれと同時にトム・ゲーブルからローラへと改めることになった。
また、今週末にはダーラムでエレクトロ・ダンス・ミュージック・フェスティヴァルのモーグフェスも開催される予定になっているが、こちらも予定通りに行い、法案への抗議を盛り込むことも明らかになっている。
さらにシンディ・ローパーも6月にノースカロライナ州ローリーで予定しているライヴを予定通りに行うと宣言していて、ライヴからの収益は抗議運動の資金として寄付するという。
4月にはマムフォード・アンド・サンズも予定通りにライヴを行ったが、新法への反感はオフィシャル・サイトで露わにしていた。
ローラの戸籍との決別パフォーマンスはこちらから。
I guess gender really is over since @LauraJaneGrace said goodbye to gender! #genderisover pic.twitter.com/EHXZJbMnM2
— Kathryn Wymer (@kwymer6) 2016年5月16日
ローラの抗議トイレット・ペーパーはこちらから。