ボブ・ディラン、ついにノーベル文学賞受賞についてすべてを明かす。沈黙が続いた理由から受賞への思いまで

ボブ・ディラン、ついにノーベル文学賞受賞についてすべてを明かす。沈黙が続いた理由から受賞への思いまで

ノーベル文学賞の授賞発表以来、ツアーを敢行しながら一切賞について触れてこなかったボブ・ディランだが、ノーベル賞を主催しているノーベル財団に連絡を入れて受賞を喜んでいると伝えたことが明らかになっている。

財団によれば、ボブは先週、文学賞の選考を執り行っているスウェーデン王立学士院(スウェーデン・アカデミー)に連絡を入れてきたとのことで、「賞を受け入とるかって? もちろんだ」とアカデミー側の確認に答え、「とても栄誉なことで感謝している」と伝えたという。

アカデミーでボブに対応したのは、ボブへの授賞を発表したサラ・ダニアス教授でボブは「ノーベル賞を貰ったという報せにはもう言葉もなくしました」とその感激ぶりも明かしたという。

アカデミーの発表では12月の授賞式へのボブの出席については現時点では未定だということになっているが、その後、イギリスのザ・テレグラフ紙とのインタビューに応えたボブはぜひ出席したいとも答えている。

受賞についてどう思うかというテレグラフ紙の問いにボブは「なかなか信じられないよ」と答え、「驚いたし、とんでもないことだ。こんなことは普通、夢にも見ないようなことだろう?」と語っている。

また、ダニアス教授が授賞発表の際、ボブの作品をホメロスやサッフォーらのギリシャの詩人を引き合いに出して称賛したことについてどう思うかという問いには確かに自分の作風はホメロス的なところもあると次のように語っている。

「確かにある意味じゃそういうところもあるかもしれない。"Blind Willie McTell"、"Ballad of Hollis Brown"、"Joey"、"A Hard Rain’s a-Gonna Fall(はげしい雨が降る)"、"Hurricane"とか、この手の曲は、本質的にはホメロス的だよ」

ただ、歌詞の解釈については「どういうことなのかはみんなが決めればいいと思うんだ。学者とかが、いい答えを持ってるんじゃないのかな。俺にそれを説明する資格はないんだよ。俺には意見なんてものはないんだ」と説明してみせている。

そして授賞式への出席については行くつもりなのかという問いに「行けたら、行くつもりだ」と答えている。なお、現在ボブは11月までアメリカ・ツアー中だが、12月以降は今のところライブは予定していない。

なお、発表から2週間以上も沈黙を続けたのはどうしてなのかという問いにボブは「でも、今はこうして話している」と煙に巻いてみせた。

また、今後の活動については以下のように語った。

「やりたいことはたくさんある。インディアナポリスのサーキットでレーシングカーを運転してみたいし、NFLのフットボールの試合でフィールド・ゴールを決めてみたい。野球で時速100マイルの球を打ってみたい。でも自分の居るべきところはわきまえておかなければならない。自分の才能を超えたところに存在するものがあるかも知れないからね。

やる価値のあるものというのは時間がかかるものだ。100の悪い曲を書いてやっと1つの良い曲が書ける。それに、予期せぬ犠牲をたくさん払わなければならない。好もうと好まざろうと、その過程は自分独りで進むもの。自分だけの運命の星を追いかけなければならないのさ」
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