パール・ジャムのデビュー・アルバムでありロック史に残る名盤『Ten』が装いを新たに、４フォーマットで再発されることが決定した。

オリジナルは1991年８月27日発売。18年の時を経て、2009年3月23日に新装／４フォーマットで発売される（現在のところ国内盤の発売は未定）。４フォーマットの仕様詳細は下記のとおり。

【仕様１】Legacy Edition (2-Disc set in mini-LP style slipcase紙JK仕様)
★?『Ten』（オリジナル）をリマスターしたCDと?ブレンダン・オブライエンが『TEN』を再度ミックスしなおしたＣＤ/ＬＰを収納

【仕様２】Deluxe Edition (2-disc set plus DVD specially designed hardbound package)★92年のMTVアンプラグドを5.1ｃｈサラウンドでリミックスしたDVD映像を収納。

【仕様３】Vinyl Collection (2-ＬＰ set)
　★92年のコンサートを収録したＬＰ[2枚組]を収納。

【仕様４】Super Deluxe Edition(2-disc set plus DVD, 4 ＬＰs and replica cassette in linen-covered)…写真
★デモ3曲を収録したレプリカ・カセット(復刻版)『Momma-Son』を収納。収録曲：“Alive”“Once”and “Footsteps.”
★ボーナストラック6曲収録
★Eddie　VedderとJeff　Amentのコレクションより、作曲ノートのレプリカ(復刻
版)を封入。

デビューアルバム『Ten』は、91年8月27日に発売。全米チャートで最高位２位を記録。1200万枚を売り上げ、90年代の音楽シーンを象徴する試金石的作品となった。特にアルバム収録の“Alive”“Black”“Even Flow”and “Jeremy”はロックラジオでのアンセムとして、そしていまだにライブで演奏する重要な楽曲である。

プレス・リリースには新装版プロデューサーのブレンダン･オブライエンによるコメントが掲載されている。それによれば「パール･ジャムのメンバーは『Ten』のオリジナル・ミックスをとても気に入っていたけど、俺がリミックスしたらどんな音になるのか興味を持っていたんだ」

「『Ten』のオリジナル盤のサウンドは何百万人もの人々が手に入れ、掘り下げ、愛したサウンドだったから、最初はそれをいじるのに躊躇していた。メンバーから何年も粘り強くせがまれて、オリジナル盤に伴うような形で作るということでようやく考えがまとまったんだ。よりダイレクトなサウンドにして、新鮮なものにするということでね」とコメントしている。

『Ten』オリジナル盤パッケージ（写真：一番下）のアート･ディレクターを務めたパール･ジャムのベーシスト、ジェフ･アメンは、キャメロン･クロウ率いる“ヴァイナル･フィルムズ”のデザイナー、アンディ･フィッシャーとのコラボレーションにより、再発盤で再びアート･ディレクターを務めた。

フィッシャーは映画『イントゥ･ザ･ワイルド』サウンドトラック盤、『バニラ・スカイ』サウンドトラック盤、『ハロルドとモード(少年は虹を渡る)』(原題：Harold & Maude)のアニヴァーサリー・エディションサウンドトラック盤などを手がけている。

【仕様４】Super Deluxe Editionに封入予定のカセット・テープ『ママ･サン』は、このプロジェクトのためにアーカイヴをひも解いていくプロセスの中で、ジェフ・アメンが発見した伝説的デモ・テープのレプリカ。『ママ･サン』は、ジェフ・アメンがギタリストのストーン・ゴッサードとマイク･マクレディとともに新しく結成したバンドのボーカリストを勧誘するために制作、“アライヴ”“ワンス”“フットステップス”の最初に録音されインストゥルメンタル・バージョンが収録されている。
当時サンディエゴ在住のサーファーで当時は無名のシンガーだったエディ・ヴェダーは、レッド･ホット･チリ･ペッパーズのドラマーだったジャック･アイアンズにテープを送るように勧められたという。『ママ･サン』を聴いて完全に心を動かされたヴェダーは、すぐに歌詞を書き、ミュージック･トラックにヴォーカルをダヴィングしたテープをシアトルに送り返し、パール・ジャム誕生のきっかけになった。

なお、パール・ジャムは、バンド結成20周年となる2011年に向けて今後も他の作品が再発していく予定だという。