(毎日レビュー5日目)
M13 ノスタルジア(初回盤A収録)M13 Answer(初回盤B収録)
今回レビューするのは初回盤Aに収録の“ノスタルジア”と、初回盤B収録の“Answer”だ。この2曲は彼らが年上の3人(横山裕、渋谷すばる、村上信五)と年下の4人(丸山隆平、安田章大、錦戸亮、大倉忠義)に別れたユニットナンバーとなっている。年下組の“ノスタルジア”は“DO NA I”に引き続き蔦谷好位置の作曲。アッパーでポジティブなナンバーがぐいぐい引っ張るサマーアルバムでもある『ジャム』だが、エレクトロポップのシンセビートとラテンのリズムが緩やかにミックスされていく“ノスタルジア”は、言わば「夏の夜」を思わせる一曲。ソロパートではやんちゃだったりエモかったりセクシーだったりと、4人それぞれの個性が立っているボーカルが、互いに重なり合うと途端に甘く溶け合うようにハモリ、透き通るように繊細なユニゾンを生み出していく。その自然な歩み寄りと協調によって生み出されたメロウでチルな旋律が、実に年下の4人らしいナンバーだとも言える。“Answer”は作曲&編曲を手掛けた渋谷が3人の歌割りも決めるなど、イニチアシブを取っている曲だが、歌詞は3人の共作。ホーンのパワフルなアレンジが効いたエレクトロファンクがソングライターとしての渋谷のレンジの広さを証明し、横山の繊細なファルセットや村上の華やかなキーボードの魅力に改めて気づかされるナンバーだが、特にこの3人でなければ書けなかっただろう歌詞が感動的だ。それはジャニーズJr.時代から20年近く、楽しいばかりじゃない、時には苦労も分かち合ってきた3人だからこそ、互いの強さと弱さを知り尽くしているからこそ紡ぎえた絆の言葉だと思うし、その言葉の連なりを「答え」と題したのもグッとくる。ただし答えではあるけれどゴールではない、未だ「手つかずの夢」があると宣言しているのも、まさに頼もしき年上組だ。年下組の協調のユニティと信頼、年上組の阿吽の呼吸と指針を示す責任、それが関ジャニ∞として7人になった時の、彼らの大いなる力と自信になっていることがわかる2曲なのだ。(粉川しの)