(毎日レビュー7日目)
DVD ドキュメント映像「フトコロノカタナ」(初回限定盤A)DVD バラエティ映像「撮り合いメイキング」(初回限定盤B)
今回は音源から離れ、初回限定盤A、Bにそれぞれ収録されている特典映像についてレビュー。初回盤Aには“青春のすべて”のミュージックビデオに加え、「フトロコノカタナ」と題した1時間30分にも及ぶドキュメンタリー映像が収録される。7人が個々に自分が自分らしくいるために必要なものや時間、つまり「フトコロノカタナ」を挙げ、それについて語るインタビューと、会議室での『ジャム』の企画ミーティングの様子が収められたこちらは、言わば「言葉」を中心にした映像集だ。彼らがフトコロノカタナに選んだものは7人7様、ひとりになって無に還る時間を求める人、より突き詰めて集中する人、リセットする人もいれば、ルーツに戻る人もいる。達成感を語る人もいれば、挫折感を語る人もいる。でもそのてんでばらばらのカタナが、最終的に関ジャニ∞をより強くするために戻ってくる、ただひとつの鞘に納まっていく感覚が面白い。また、会議風景もツボが満載だ。
一方の初回盤Bには“今”のミュージックビデオと「撮り合いメイキング」と題されたバラエティ映像が収録される。撮影で訪れた沖縄でビデオカメラを一台ずつ持たされたメンバーが、文字通り互いを撮り合うというもので、メンバーにしか見せない顔、メンバーにしか撮れない顔をテーマに、彼らが好き勝手に撮っていくのだが、これが本当に個々のキャラクターが滲み出ていて面白すぎるのだ。どんどんカメラを回し、自分もばんばんメンバーのカメラに映っていく人もいれば、何を撮ればいいのか迷う人、気づけば黒子のインタビュアー状態になって自分があまり映ってない人(そしてその人をさりげなくフォローしてカメラに収める人)などなど、どんなリアリティ番組よりもリアルな7人の日常、性格、関係性が見えてきて、ファンはこれを肴に一晩中語り合えるはず。
「フトコロノカタナ」が「言葉」を紡ぐことで示されたエイトの本質だったとしたら、この「撮り合いメイキング」は「言葉はいらない」関係である彼らによって曝け出された、エイトの素の姿だ。どちらにおいても改めて思うのが、彼らは本当にカラフルな個性の集合体なのだということ。そして見る角度によって虹色が様々な色の重なりに見えるように、7色の集合体である関ジャニ∞の7色に終わらない、無限の発色の理由を知ることができる2本の映像なのだ。(粉川しの)