【『カルテット』四夜連続自由研究②】神ドラマを彩った12のおやつ

【『カルテット』四夜連続自由研究①】神ドラマを彩った14の音楽
7月7日(金)にいよいよブルーレイ/DVDがリリースされる、今年1月期に放送されて大きな話題を読んだTVドラマ『カルテット』。細部のディテールまで伏線や仕掛けが散りばめられた脚本と、松たか子/満島ひかり/高橋一生/松田龍平が演じるカルテットドーナツホールの4人をはじめとする登場人物たちの魅力が破格…
【『カルテット』四夜連続自由研究①】神ドラマを彩った14の音楽
ドラマ『カルテット』自由研究、第2夜のテーマは「おやつ」。小腹が減ったとき、口が寂しいとき、ちょっとしたお楽しみがほしいときなどに食べる、つまり生きる上でマストではないものだからこそ、このドラマの中で意味深な存在でもある、美味しいアイテムたちを研究していきます。

《第1話》
みかんつめつめゼリー
真紀(松たか子)と家森(高橋一生)がひとつずつ買って、冷蔵庫の中にふたつあった「みかんつめつめゼリー」のうちひとつをすずめ(満島ひかり)が食べていると、家森がそれを「僕のみかんつめつめゼリー」だと主張。でも、すずめは自分が食べているのは真紀のみかんつめつめゼリーで、家森のみかんつめつめゼリーは真紀が食べたのではないかと主張。家森は、それでもすずめはみかんつめつめゼリーを買っていないのだがら、すずめが食べているのは「僕のみかんつめつめゼリー」であると、図解してでも説明しようとする――主に家森のやや面倒なロジカルさを発端にしながら、議論が勃発するのも、このドラマの楽しみのひとつ。そんな中、連呼される「みかんつめつめゼリー」の語感もまたポイントなのである。

《第2話》
フライドポテト、メガ盛り
別府(松田龍平)と九條(菊地亜希子)のカラオケデート(?)のお供は超特大盛りのフライドポテトと生ビール。刹那的な時間を象徴か。

カップアイス(ラブラブストロベリー/ロックンロールナッツ)
食後に、コンビニに翌日の朝食のパンを買いに行く別府、「わたしもアイス買いに行こ」と一緒に行くすずめ。コンビニの前で別府はすずめに右手に持った「ラブラブストロベリー味」と左手に持った「ロックンロールナッツ味」のどちらにするかを聞く。すずめの答えは「じゃ……左手」。ちなみにこの回の冒頭の方で、すずめは巻鏡子(もたいまさこ)に「手品師がどうやって人を騙すかご存知? 右手で興味を惹きつけて左手で騙す」と言われている。つまり「左手」を選んだということは、直前に別府に話していた秘密が嘘だということも読み取れる? すずめちゃんの表情と共に細やかなニュアンスを楽しみましょう。

《第3話》
うさぎのケーキ
別荘のリビングでケーキを食べながらお茶をする、すずめとライブレストラン「ノクターン」のアルバイトの来杉有朱(吉岡里帆)。ケーキに付いているうさぎの飾りを食べるのをすずめは躊躇するけれど、有朱は思いっきりフォークでぶっ刺すのだった。しかも「うさぎ」であることによって『ふしぎの国のアリス』を彷彿。

袋入りのドーナツ
眠っている別府の布団にすずめが入ってきて、有朱による誘惑のアドバイス通りにペットボトル1本分の顔と顔の距離をキープ。意図がわからない別府は「お腹すいたんですね」とバッグから袋入りのドーナツ(ちなみに別府の勤め先は“ふくろうドーナツ”)を取り出す。部屋を出て行く別府を呼び止めるけれど、言いたいことを言えず「いただきます」と苦しそうに笑う、すずめちゃんの表情にまたまた注目。

《第4話》
アポロチョコ
謎の男・半田(Mummy-D)は風邪薬をアポロチョコと一緒に飲みます。

天津甘栗
ベランダに出したままにしていたごみを片付けるために真紀のマンションに来た、真紀と別府。ピザが来るまでの間に、途中で買った天津甘栗を食べるのだが、別府は黙々と栗を剥いては、真紀に差し出し続ける。
別府「語りかけても、触っても、そこにいない……じゃあ僕は一体何からあなたを奪えばいいんですか?」
結構、粘着質な別府の真紀に対する片思いだが、どこか清潔なエロティシズムを感じさせるのが不思議。

《第5話》
ニワトリのマークのロールケーキ
別荘の食卓で衣装をリフォーム中の真紀とすずめと有朱。有朱は執拗に真紀の夫の失踪の真相を暴こうとグイグイ詰め寄る。それを妨害したいすずめは必死に「ニワトリのマークのロールケーキ食べましょうよ」と誤魔化す。話題を逸らさせまいとする有朱の「いいです。酉年だし」「鶏肉嫌いなんで」という断り方が面白い。結局、3人のゴタゴタによってニワトリのマークのロールケーキが登場することはなかった。

《第8話》
フルーツサンド
いつしか真紀と別府のキューピットになろうとし始めるすずめ。真紀が雑誌を見て食べたそうにしていたフルーツサンドを、別府にお土産に買ってきてもらうように密かにメールをしたりと健気。
職場の社長(ミッキー・カーチス)から「君の好きはどこにいくんだろうね。置き場所に困らないかな」と言われたときのすずめの答え「わたしの好きは、そのへんにごろごろしてるっていうか」が切ない。

たこ焼き
真紀と別府にコンサートチケットを譲って、自分は友達と鉄板焼きだと嘘を言ったすずめが家に着くと誰もいなくて鍵がない、しかも空腹。そこに家森がすずめの嘘をわかっていて、たこ焼きを買って帰ってくる。家森の好きもそのへんにごろごろしてるのかな。

《第10話》
わらび餅
裁判が終わっても別荘に戻ってこない真紀。カルテットの欠員を埋めるメンバーとしてやってきたのは、真紀とは対称的な声の大きな女の子だが、すぐ辞めてしまう。その女の子が置いていったお土産がわらび餅。

コロッケ
写真週刊誌に追われる真紀。記事の見出しは「疑惑の美人ヴァイオリニスト、白昼堂々コロッケデート」。
すずめの名言「歩きながらコロッケ食べたら、誰だって幸せしかない顔になります」

(古河晋)
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