音楽院運営のフリー、現在のアメリカの音楽教育は「児童虐待と同じレベル」と発言

音楽院運営のフリー、現在のアメリカの音楽教育は「児童虐待と同じレベル」と発言 - pic by Steve Kerospic by Steve Keros

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが、昨今のアメリカでの教育予算の削減による音楽教育の惨状について「児童虐待と同じ」、「ただただ間違っている」と語った。

フリーは2001年からロサンゼルスでシルヴァーレイク音楽院を運営しており、近年ではほぼ毎年、さまざまなアーティストの協力のもと運営費を捻出するためのチャリティー・ライブも行っている。

「ローリング・ストーン」によると、もともとフリーがこの音楽院を設立したのは、2000年に母校のフェアファックス高校を訪れたところ、予算削減のため音楽教室にまったく楽器がない有様に心を痛めたからだという。教室にはアコースティック・ギターが1、2本とラジカセがあるだけで、生徒たちはボランティアの講師と音楽の話をしているだけだったと語っている。

自分が高校生だった頃にあったオーケストラやバンドはどこへ行ったのかと問い詰めると尋ねると、予算がすべて打ち切られたという答えが返ってきたのだという。

そのためフリーはシルヴァーレイク音楽院を設立し、オーケストラとバンドに関する音楽教育を提供している。今年の9月に行われる運営費チャリティー・ライブにはアンダーソン・パークやランディ・ニューマン、そしてレッド・ホット・チリ・ペッパーズ等が出演し、さまざまなオークションも行われるという。


また、フリーは今年からライブをきちんと学校の施設の会場で行えるようになったことが嬉しいと語り、講堂と教室を備えた学校所有の校舎を確保することができたと明らかにしている。

さらにフリーは今年から低所得者層の多いワッツ地区でも新しい音楽学校を開設し、こちらの運営も順調なのだという。トランプ政権が日本の文化庁にあたる全米芸術振興庁(NEA)への予算を全面的に削減する法案を検討している今、誰もが自分たちのコミュニティーに手を差し伸べて自分にできることを進めていくことで助力していくしかないと語る。

なお、自身が学校で音楽と出会ったことがどれほど重要なことだったかを次のように振り返っている。

「ガキの頃の俺は本当にろくなもんじゃなかったんだ。ストリートを根城にしていて、万引きもしてたし、空き巣もやってたし、薬にも手を出してたからね。授業はサボって大麻をキメてて、あのままだったらロクなことになってなかったよ。だけど、唯一俺をしっかりさせて一本筋を通してくれていたものが音楽だったんだ。学校に俺が通ってた唯一の理由だって、学校のバンドで演奏するのが好きだったからなんだよ」
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