2015年から続いたニュー・オーダーとピーター・フックの訴訟問題、示談で和解に至る

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ピーター・フックニュー・オーダーに対して起こしていた印税やバンド名の使用権をめぐる訴訟について、示談で和解したことが明らかになった。

ピーター・フックは2007年にニュー・オーダーからの脱退を表明し、バーナード・サムナーがその後これ以上ニュー・オーダーとしての活動を望んでいないことを明らかにしたことでバンドは実質的に解散に至っている。

しかし、ピーターが2010年からジョイ・ディヴィジョン作品の全曲ライブ・シリーズを展開して好評を博すと、バーナード・サムナーも2011年にスティーヴン・モリス、ジリアン・ギルバートのオリジナル・ラインナップにバーナードの別プロジェクト、バッド・ルーテナントのフィル・カニンガムを迎えてニュー・オーダーを再結成させた。2015年には10年ぶりの新作となる『ミュージック・コンプリート』をリリースしている。

ピーター・フックはバンドが2011年に再結成した際に新しい著作権管理会社を設立させてから、自分に対して350万ドル(約3億8千万円)にも及ぶ印税などの未払いが発生していると訴えを起こしていた。自身はニュー・オーダーの権利を25パーセント有している他、印税については12.5パーセント、さらにグッズやパフォーマンスに応じての収入を得ていたが、新会社に管理が移行してからは印税を1.25パーセントしか受け取っていないとしていた。

これに対してバンド側は、ピーターの取り分はこれまで通り保証されているが、2011年以降のピーター抜きでのバンドの活動による収入については1.25パーセントの割合でしか支払っていないと説明していた。この他にもピーターは、自分抜きでニュー・オーダーとして名乗ることはできないはずだという訴えも起こしていた。

長期戦となったこの訴訟の結果について詳細は明らかにされていないものの、バンドからは9月21日に以下のような発表がなされた。

ニュー・オーダーは元ベーシストのピーター・フックと長く続いた意見の食い違いについて、最終的な示談が成立したことを本日発表しました。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーという名前はたくさんのファンにとって大切なものであり、バンドはその遺産を守ることが重要なことだと考えてきました。

今回の問題が解決されたことで、バーナード、スティーヴン(・モリス)、ギリアン(・ギルバート)は以後、最も得意とすること、つまり、音楽を制作しライブで演奏することに専念できるようになりました。


一方で、この発表を受けたピーターはFacebookで以下のようにコメントしている。


「ミャンマー、メキシコシティで起きていることや、もっと身近なところではマンチェスターやロンドンで最近起きたこと。重要なのはそういうことだ。皆さんの愛や励ましをありがとう。私からのコメントは、最も重要な人たち……つまり、ファンの皆さんの反応を読むことなんだ」
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