M-1グランプリ、とろサーモン優勝の瞬間に物凄く感動してしまった

笑いとは不思議なもので、人を選ぶネタにこそ、どうしてもこらえられないような本当の笑いが宿るところがある。
だから本当の笑いは、いつもアンダーグラウンドなところにある。
それでも売れたいし、お茶の間に自分たちの名前を轟かせたい。
その矛盾の中で笑いに妥協はできないけれど、野心を諦めることもできない、ということに最もM-1において葛藤し続けてきたのが、準決勝で、そして敗者復活戦で何度も惜しくも敗れてきた、とろサーモンというコンビだったと思う。
そしてやっと切符をつかんで挑んだ決勝戦。
さらに決勝3位で滑り込んだ最終ラウンド。
とろサーモンは、2本とも「人を選ぶ笑い」を堂々と披露していた。
とろサーモンほどは「人を選ばない笑い」で高レベルなネタを繰り広げていて、優勝をしてもおかしくないコンビは周りにもたくさんいた。
でも審査員は、「人を選ぶ笑い」で最後まで勝負したとろサーモンを1票差で選び、本人たちは信じられないという様子で顔を見合わせて放心状態になった。
笑いの世界の厳しさと不思議さと面白さを改めて感じさせてくれる、M-1史上に残る名シーンだったと思う。(古河晋)
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