モリッシー、デヴィッド・ボウイや人類の進歩について語る。「今のデヴィッドはきっと幸せなはず」

モリッシー、デヴィッド・ボウイや人類の進歩について語る。「今のデヴィッドはきっと幸せなはず」

11月にニュー・アルバム『Low in High School』をリリースしたばかりのモリッシーだが、「Rolling Stone」のインタビューの中で自身の過去作や人類について、そしてデヴィッド・ボウイについてなど様々な質問に答えている。

まず1988年の1stソロ・アルバム『ビバ・ヘイト』収録の“Break Up the Family”について、「あれほどの名曲が今も見過ごされているのはどうしてか」という質問には次のように答えている。

僕は同じようなことを“Hold On to Your Friends”、“Let Me Kiss You”、“Alma Matters”、“Black Cloud”、“I’m Throwing My Arms Around Paris”についても思うよ。ほかのアーティストは自分の曲の中でまったくなにも言っていないのに等しいのにも関わらず、それでもグラミー賞を贈られる。まったく堕落しているといえる。

そして自分のオーディエンスとの関係を説明するとどういうものになるか、という問いには次のように返答。

僕たちは血気盛んな恋人同士のようなものなんだ。僕が自分の人生の残りをすべて(オーディエンスとの)情欲に捧げることにしたのはそのせいなんだよ。

人生のどこかの時点で、傍観者であり続けることを改めなければならない節目がくるもの。もちろん、すべて科学的な探究心から行うことなんだけどね。



熱烈な動物愛護主義者として知られるモリッシーだが、人間の中で信頼する人物については次のようにコメントしている。

大いなる報労の地へとすでに身罷ってしまった人たちのみさ。現存する人であれば、奥ゆかしさと攻撃性を面白い形で持ち合わせている人に興味を惹かれるよ。しかし、動物や鳥、魚を食べる人についてはとうてい信用できるものではないね。


また、「自分の人生でこれまで後にしてきた部屋の数々のひとつにだけに戻るとしたら、どの部屋を選びますか?」という問いには次のように答える。

僕はいつもマンチェスターの自分の部屋のことを夢で見るんだよ。いつもそこにいて、時刻は8時35分で、これから学校へ歩いて登校しなきゃいけないんだけど、決まって雨の中水たまりの中で転んでしまうんだ。白鳥が飛び立った瞬間に猟銃で撃たれるような、そんな光景さ。



さらにデヴィッド・ボウイに関して、「宇宙の電話でデヴィッド・ボウイから電話がかかってきたとしたらどんな話をしますか?」という質問も。

デヴィッドは地球の電話では何度も電話をかけてきたよ。今のデヴィッドはきっと幸せなはずだ。音楽は永遠のものだし、見てごらんよ、デヴィッドはそのど真ん中にいるんだから。人生からそれ以外のものは望んでいなかったと僕は思うよ。



そして最後に、「自分が生きてきた中で人間は進歩したと思えるか?」という問い対する答えは以下。

それは人類一般についてということかな? 食料を改めるという意味ではそうだといえるよね。地球にとっては核兵器競争なんかよりも乳製品産業の方がよっぽど脅威になっているということは、誰の目にも明らかだし。

人々は動物を殺戮していくことに、もう辟易しているんだよ。僕の最終目的は畜殺施設を撤廃させること。これまで僕は一度も総選挙で投票したことがないとはいえ、屠殺を禁止するだけの知性を備えた政党があれば、僕の一票はその党に投じられるよ。

世界が成長するとしたら、その時点から先のことでしかありえないんだ。


なお、現在アメリカ・ツアーを行っているモリッシーは、3公演連続で公演を中止している。
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