Aimer 武道館ライブ映像作品は美しく、シンガーとしての存在感を改めてはっきりと示す記録だった

  • Aimer 武道館ライブ映像作品は美しく、シンガーとしての存在感を改めてはっきりと示す記録だった - 『Aimer Live in 武道館 ”blanc et noir”』初回生産限定盤

    『Aimer Live in 武道館 ”blanc et noir”』初回生産限定盤

  • Aimer 武道館ライブ映像作品は美しく、シンガーとしての存在感を改めてはっきりと示す記録だった - 『Aimer Live in 武道館 ”blanc et noir”』通常盤

    『Aimer Live in 武道館 ”blanc et noir”』通常盤

  • Aimer 武道館ライブ映像作品は美しく、シンガーとしての存在感を改めてはっきりと示す記録だった - 『Aimer Live in 武道館 ”blanc et noir”』初回生産限定盤
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リリースから1週間あまりが経ってしまったが、『Aimer Live in 武道館 "blanc et noir"』は本当に美しいライブ映像作品だ。タイトルどおり、2017年8月に開催されたキャリア初の武道館ワンマンの模様を収めている。『BEST SELECTION "blanc"』、『BEST SELECTION "noir"』という2作のベスト盤のコンセプトに基づいて、演奏曲のムードとリンクしながら「白」から「黒」へと色彩が変化してゆくステージ演出が印象深い。

2011年にメジャーデビューした彼女の、鮮烈で奥深い歌声がもたらしたインパクトは今でもはっきり覚えている。その後はアニメ作品など数多くのタイアップ曲も手がけ、Aimerは着実にポピュラリティを獲得してきた。またツアーや企画ライブも行ってきたが、一方でTV番組などへの出演の機会は決して多くなかった。地上波の音楽番組に初めて出演したのは、2016年とつい最近のことである。「あの歌声の持ち主は誰?」といったふうに、彼女にはどこかミステリアスなイメージが付き纏うところがあった。

このときの武道館ライブは、360°からオーディエンスに見つめられる構造のステージで、これまでの代表曲や新しい曲をどれも伸び伸びとまっすぐに歌っている。彼女のライブが単体の映像作品としてパッケージされるのも初めてのことで、シンガーとしての存在感をあらためてはっきりと示す記録になった。リスナーにとっては、以前よりも一層、Aimerの存在を身近に感じることができる作品と言えるだろう。

ベスト盤2作とリンクしたステージでありながら、Aimerの「今」と「これから」をビビッドに伝えるライブ。『BEST SELECTION "noir"』に収録された新曲“zero”を歌うときの彼女は「ベストアルバムをリリースして、またゼロから始めたいという気持ちで作った曲です」と語り、また、美しく奥ゆかしい比喩表現の歌詞とメロディを持つ“蝶々結び”(楽曲提供・プロデュース:野田洋次郎)や、公演後の10月にリリースされたニューシングル収録曲“花の唄”(プロデュース:梶浦由記)など、今のAimerの表現力を引き出す近作曲が、要所要所に配置されている。

個人的に、このライブで最大のハイライトだと思えるナンバーは、アンコールに入ってさらに溌剌とした様子を窺わせるAimerが、満場の賑々しい手拍子に後押しされて歌う新曲“ONE”だ。この曲も後にシングルとしてリリースされたが、彼女はとてもオープンに、自身の歌声に触れる人々すべてに活力を注ぎ込むようにして、この歌を歌った。その唯一無二の歌声に、新しい意味と価値を見出したと言ってもいいほど、画期的なナンバーである。

彼女は、“zero”を歌う前に、Aimerと歌の関係について、またAimerとリスナーの関係について、率直かつ丁寧に語っているのだが、これが素晴らしい。深い感謝の思いを伝えながら、同時にパーフェクトなAimer論にもなっている。ライターとしては気の利いたことを書きたいのだが、残念ながらこのときの彼女のMCほど見事な言葉は見つからない。ぜひしっかりと見届けてほしいし、このMCで語られていることが、そのまま“ONE”の開放的なエネルギーに直結していることを理解できるはずだ。

今後、年を跨ぐライブツアー「hiver」で全国を巡るAimerだが、12月28日(木)にはCOUNTDOWN JAPAN 17/18への出演を予定しており、これが2017年内最後のステージとなる。創作においても、ライブにおいても、その歌声を手掛かりにより積極的に多くの人々と関わろうとするAimerの新章が、ツアーのモードでフェスに何をもたらしてくれるのか。今から楽しみだ。(小池宏和)
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