メタリカのラーズ、メタル界の慣習に反発してきたバンドのあり方を語る。「摩擦は常にあった」

メタリカのラーズ、メタル界の慣習に反発してきたバンドのあり方を語る。「摩擦は常にあった」

今年の11月まで行っていたヨーロッパ・ツアーを来年の2月から再開させるメタリカだが、「Music Week」のインタビューに答えたラーズ・ウルリッヒがバンドのあり方について語っている。

1981年のデビューから今年で36年となるメタリカだが、ラーズ・ウルリッヒは2012年に「SPIN」に対し、「みんなの期待通りのバンドに成り果てたりしたらファッキン死にたくなる」と発言していたことがある。この過去に発言について、ラーズは「Music Week」に対し以下のようにその真意を説明している。

つまり俺が言いたかったのは、ハード・ロックの世界にも保守的な部分があって、好きなバンドには数年ごとにまったく同じような内容のアルバムを出してほしいっていう意見もあるんだよね。アルバム・ジャケットも、創作のアプローチの仕方もまったく同じ発想で、すべてがあらかじめ分かっているものを作ってほしいっていう。

でも俺がずっと言ってきたのは、俺たちがなりたいバンドはそういうバンドじゃないってことなんだよ。この30年以上、俺たちはずっとこの思いを持って闘ってきたんだ。俺たちは決めつけられることに対して強硬に抵抗してきた。自分たちのやり方でやってくのが大好きなんだ。



また「Blabbermouth」によると、「ヘヴィメタルはこうあるべき」という考え方が原因でメタリカの活動に限界を感じたことはないのか、という「Clash」誌からの問いには以下のように答えていたという。

俺たちの場合、メタル界との関係が穏やかではないこともあったわけなんだ。それは決められたルールや決まりごとに従って活動するのが嫌だったから。メタルの世界の中では、ここは慎重に言葉を選ばなきゃならないんだけど、とにかく、同じことが好まれる傾向にあるんだよ。

クリエイティブな面にも少し保守的な考え方があって、そこではリスクを取るよりは無難さが好まれるんだ。それに応じた美意識みたいなものもあって、ジャケットは大体こんな雰囲気とか、メンバーの風体はこんな感じとか、振る舞い方も決まってて、アチチュードや態度もこんな感じでっていう風に、そういうことが色々決まってる。

俺たちとしてはそういうのが本当にくだらないと思ってきたし、そういうのはうざいし、邪魔になるし、息が詰まるとさえ思ってきたんだよね。



さらに2ndアルバムにて、メタル・バンドとしては珍しくアコースティック・ギターを使用した時のことについても以下のように語る。

2ndの『ライド・ザ・ライトニング』を出した時、アルバムでアコースティック・ギターを使っていたのをよく覚えてるんだけど、メタリカのアルバムでアコースティック・ギターが使われているなんてと、メタル界の中では激怒した連中もいたんだよ。

だから、俺たちはメタルのみんなの先陣を切って率いているという感じもありながら、メタル界の一部の連中が望んでいるような形ではみんなを率いてはいないという対立事項がいつもあってね。だからいつもなんかソリが合わないところがあるし、摩擦は常にあったよね。

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