Mr.Childrenにさらなる「深化」をもたらした新曲“here comes my love”を聴いた!

Mr.Childrenにさらなる「深化」をもたらした新曲“here comes my love”を聴いた! - 『here comes my love』『here comes my love』
既報の通り、Mr.Childrenは2015年のアルバム『REFLECTION』以降に桜井和寿が書きためた数多くのデモを基に、昨年末から4人で長期の制作期間に入っているという(ニュース記事はこちら)。TVドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)の初回オンエア直後:1月19日深夜0時に配信リリースされた、同ドラマの書き下ろし主題歌=“here comes my love”も、まさにそんな制作の中から生まれた「現時点での彼らの最新モードが色濃く反映された」1曲だ。

ピアノの静謐なイントロに続いて、《破り捨てようかな/いやはじめから なかったものって思おうかな?/拾い集めた淡い希望も/一度ゴミ箱に捨て》と冒頭からシリアスな描写で、葛藤する心にフォーカスを合わせて視点をズームしていく。そして、バンドの演奏が始まると同時に《飲み込んでおくれ/巨大な鯨のように》と一気に物語のパースを広げ、サビでは《夢見た未来を波がさらっていっても/この海原を僕は泳いでいこう》と運命に抗い運命を切り開く決意を掲げる――。
BPM=70ほどのゆったりとしたリズム感の中で、聴く者の孤独に寄り添う密接な距離感から、ギターのドライブ感が轟くスタジアム級のサウンドスケープまで、Mr.Childrenの音風景のすべてを体現してみせたような、切実なエモーションあふれる名曲だ。

『REFLECTION』以降、Mr.Childrenの新たな楽曲は現時点で6曲発表されている。今回配信リリースされた“here comes my love”と、“ヒカリノアトリエ”(昨年1月にシングルとして発売)、“himawari”(昨年7月にシングルとして発売)、ホールツアー「虹」と「ヒカリノアトリエ」で披露されていた“お伽話”、“こころ”、そして2015年秋の対バンツアーで披露された“忙しい僕ら”(シングル『himawari』カップリングに収録)。

この6曲のうち、次作アルバムにどの楽曲が収録されるかは今のところ不明――というか、そもそも現在行っている制作がアルバムに向けてのものか否かについても明らかにされてはいない。が、今目の前にある6曲に共通しているのは、「すべてのMr.Childrenを聴いて欲しい」というバンドの意志をバリエーション豊かな23曲に託した前作『REFLECTION』とは一転、より揺るぎなく真っ向勝負で、それでいてよりハートフルに、ゆっくりじっくり人間と生命の核心に迫ろうとするかのような、真摯で晴れやかなモードだ。
振り幅の大きな楽曲の点描画から「Mr.Children像」を浮かび上がらせるのではなく、1曲1曲に己の闇も光も注ぎ込んで自らのすべてを描ききるような迫力が、優しいメロディの隅々にまでみなぎっているのである。

《あって当然と思ってたことも/実は奇跡で/数え切れない偶然が重なって/今の君と僕がいる》(“here comes my love”)


メジャーデビュー25周年を記念して行われた昨年のドーム&スタジアムツアー=「Thanksgiving 25」で、日産スタジアムの7万人のオーディエンスに向けて「こんなに、こんなに今もまだ、僕らの音楽に耳を傾けてくれて、コンサートに足を運んでくれる人たちがいることを、本当に嬉しく、幸せに思ってます」と語りかけていた桜井の言葉を思い出した。音楽シーンの最先端を走り続けてきたその途方もない足跡と経験が今、Mr.Childrenの表現にさらなる深化をもたらしつつある――ということを、この“here comes my love”は改めて伝えているように思えてならない。
最新アルバム『REFLECTION』のリリースから早2年半。前述の制作が新たなアルバムという果実につながることを切に願う。(高橋智樹)

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