米津玄師“Lemon”とオーラル“ReI”は、大切な人を失った人全てに温かな光を当てる曲

米津玄師の新曲“Lemon”と、THE ORAL CIGARETTESの新曲“ReI”。
“Lemon”は2月12日に配信リリース、“ReI”は2月16日にフリーダウンロードが開始された。

たまたま同時期に配信されたこの2曲。もちろん繋がりがあるとか、関連があるわけではなく、目的もそれぞれ違ってリリースされたものだが、どちらも「人の死」や「失うこと」、それによって見出される「光」について歌っていると感じた。

本当にたまたま、偶然、なのだとは思うけれど、この2曲を連続して聴くと、堪らない気持ちになる。この2曲が近い日程で配信されたことに、またこの時期であったことに運命を感じてならない。

“Lemon”は、ドラマ『アンナチュラル』の主題歌として書き下ろされた楽曲だ。米津はこの曲を最初、ドラマの脚本を読んで「人の死」をテーマに制作していたが、その最中、身内に不幸があり、より「死」というものに向き合い、「大切な人が死んで悲しい」という曲になったという。
“ReI”は、オーラルが昨年末まで行った「Diver In the BLACK Tour」と、今年2月15日に大阪城ホールで行われた「Diver In the BLACK Tour〜ReI of Lights〜」のアンコールで披露されてきた新曲。「ReI project」と題され、山中拓也(Vo・G)が東日本大震災の被災地で、現地の人の話を聞いて、そこで受けた衝撃や動いた感情を歌った曲だという。そしてこの曲の完成には約2年を費やしているとのこと。


この2曲に共通しているのは、冒頭にも書いたが、「死」、「失うこと」そして「光」だ。
米津は《戻らない幸せがあることを/最後にあなたが教えてくれた》、《あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ/そのすべてを愛してた あなたとともに》と歌い、山中は《一瞬で亡くなった日も/消えてしまった周りのものも/肩を抱いて笑ってた日も/遠い昔のように思えたのは》、《初めて出会った感動を覚えている/愛するあの全てのものへ》と歌う。
「大切な人を亡くす」ということは、原因が病気だろうが事故だろうが、天災だろうが、失った側としては大切な人を失ってしまったことに変わりはない。原因の大小はなく、「失った」という事実だけが残るのだ。そして、その人と過ごした大切な日々を思い返すのだ。


そしてどちらも最後には《今でもあなたはわたしの光》(“Lemon”)、《明日に残したいものだと 心に誓って生きてくんだ》(“ReI”)と、悲しみにとらわれず、思い出を胸に生きていく、と、悲しみという「闇」に暮れるだけではなく、「光」に向かって進んでいく、と歌っている。
その姿にも温かな光が当たっているようで、それは、全ての「大切な人/ものを失った人」へ送られる――陳腐な言葉に聞こえてしまうかもしれないが――エールなのだ。
どちらの曲も分け隔てなく、ひとりでも多くの人に届くように歌われている。この2曲を聴くと、そう感じて仕方なく、「ReI project」の山中の言葉を借りるなら、この2曲がひとりでも多くの人の心を救ってくれることを祈りたい。そう思った。(中川志織)
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