6月29日にニュー・アルバム『ザ・ナウ・ナウ』をリリースし、同月には単独来日公演も成功させたゴリラズ。
『ロッキング・オン』8月号では、前作『ヒューマンズ』からわずか1年でリリースされる新作について、欧州ツアーの前日、西ロンドンにある本人のスタジオで行われたデーモン・アルバーンのインタビューを掲載している。
前作『ヒューマンズ』からわずか1年でリリースとなった同新作では、必要最小限の共作者を招き、レコーディングからプロデュースまですべてをデーモンひとりで手がけたという「完全自己プロデュース作」、『ザ・ナウ・ナウ』。
そんな、凄まじいまでの創作エネルギーは、一体どこから生まれてくるのか。デーモンは以下のように語った。
まぁ僕はいつもこんな感じで様々なプロジェクトを同時に並行させながら作っていくのが好きなタイプなんだけどね。ワーカホリックすぎるっていうのはよく家族にも忠告されるんだ。だから最近は自分のペースを少し落とすように心がけていて、新作のリリースをわざと遅らせたりする時もあるよ。
例えば今作だって昨年の暮に出そうと思えば出せたけど、今年まで待つようにしたんだ。だってまだ『ヒューマンズ』のツアーを続けてる最中でもあったし、今作の制作と同時に他のプロジェクトのアイデアも湧いてきてそっちにも手を付け始めていたし。そんな風に僕の場合、同時に色んなプロジェクトに手を付けるんだけど、それぞれの作品を完成させないまままた次の新しいプロジェクトに興味が移って、っていうケースが多いんだよな。
また、新作に収録された楽曲はすべて昨年から続くツアー先で書かれたというが、その中で70年代後期/ベルリン期のデヴィッド・ボウイのようなクラウト・ロック曲“Tranz”について、やはりベルリンで書かれたのかとインタビュアーに問われたデーモンはそれを否定。実際書いた場所は忘れてしまったそうだ。
だが、同質問の答えたデーモンは、その最後に自身の別プロジェクト、ザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンの新作について以下のように語っている。
(中略)デヴィッド・ボウイといえば、つい最近作り終えたばかりのザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンの新作はトニー・ヴィスコンティがプロデュースを手掛けてくれたんだよ。
(中略)実際のリリースは今年の暮れ頃になるかもしれないけどね。今回のTGTB&TQの新作は僕としてもスペシャルなレコードになったと自負してるから、自分でも今からめちゃ興奮してるんだ。
最近の英誌の企画にてザ・キンクスのレイ・デイヴィスが「90年代にボウイとデーモンの話をしていた」、「一時は僕(デイヴィス)とデヴィッドがデーモンの作品でコラボする、という話もあった」と話していた件について、「90年代以降もそういう話は何度かあった」と話すデーモン。
では、なぜ両者のコラボはなぜ実現しなかったのか。その理由を以下のように述べている。
残念ながらお互いのスケジュールのすれ違いだね。僕に時間がある時はボウイが他のプロジェクトで多忙で、ボウイが参加できそうな時は僕が他のプロジェクトの制作やツアーで地球の反対側にいたっていう。そうこうしているうちにボウイは亡くなってしまったし……僕の場合そういう色んなアーティストとのニアミスが結構あるんだよな。
また、ボウイ以外にもプリンスとコラボする話もあったというが、プリンスから「スタジオ内では禁煙!」という厳しいお達しを受けたデーモンは、「自分自身でいられない環境でいい音楽は作れない」と、コラボを断った理由を述べている。
そして、インタビューの最後では気になるブラーの近況についても語っており、「活動再開が実現するとしたら多分数年後かな」と、近い将来、バンドが再び活動する可能性があることを公言している。
インタビューではこのほかにも、今作に参加しているスヌープ・ドッグとのコラボの経緯や最近のノエル・ギャラガーとの仲など、『ザ・ナウ・ナウ』のことからデーモン個人のことについてまで語られている。
ツアーとレコーディング、さらに新作のリリースと制作意欲が尽きないデーモンの最新インタビューは、ぜひ『ロッキング・オン』8月号にてその全文を確認してほしい。
ゴリラズの記事は現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
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