今回は、空知英秋先生が取材稼働がない(まあ、もともとほとんど取材は受けないのですが)ということもあって大西さんに登場してもらったのだが個人的には最早、『銀魂』という作品の一部となっている人、というかほとんど『銀魂』の登場人物に近い人にインタビューするという気持ちで、空知先生に前回、取材した時と全く同じ熱量で挑んだ。
そして一番、聞きたいと思っていたことが聞けた。
詳しくは8月18日発売の『銀魂』大特集のCUTで読んでほしいがそれは、『銀魂』で描こうとしていることは、というか空知先生が漫画というもので描こうとしているものは、最初から何も変わっていなくて、それは言葉にすると簡単な「夢」とか、妥協するなら簡単な「現実」とかに左右されるほど甘っちょろいものじゃないということだ。
それは死ぬ前に自分が「折れずに生きた」と思えるかどうかのレベルにあるもので、そのレベルにないものに対して『銀魂』の物語に関わる人はとても冷静で客観的な視点を持っている。
一貫してその覚悟で『銀魂』のギャグも、シリアスなストーリーも生み出されているから、『銀魂』はオリジナル中のオリジナルなのである。
そして、その『銀魂』のオリジナリティは、もちろん空知先生が軸にありながら、大西さんに始まる週刊少年ジャンプ編集部の各担当や、アニメの作り手やキャスト、そして昨年からの実写映画シリーズの作り手やキャストにも受け継がれてきた。
その覚悟がある人にしか、やはり『銀魂』という作品を表現することはできないのだ。
いよいよ8月17日に公開となる『銀魂2 掟は破るためにこそある』は、『銀魂』の実写映画シリーズの作り手やキャストの覚悟がさらに強固かつ自由自在になっていることがはっきり伝わってくる超大作だった。
詳しいことは全く書けないのだが「数々の掟が破られていた」ということだけは言っておこうか(笑)。
あと、back numberの主題歌“大不正解”からも『銀魂』という作品への理解、さらには今回描かれる「動乱篇」の物語への深い共感も感じた。
どこを斬っても『銀魂』というジャンルのものにしかなりようがない、その集積のような映画になっていた。(古河晋)