星野源のこれまでの歩みのすべてが“アイデア”という1曲に詰まっていることについて

星野源のこれまでの歩みのすべてが“アイデア”という1曲に詰まっていることについて - 『アイデア』配信中『アイデア』配信中
以前、僕は星野源のこれまでの歩みを彼のエッセイを中心とした著作の歴史でひもとく記事を書いたことがある。

https://rockinon.com/news/detail/158843

ソロアーティストとしてのファーストアルバム『ばかのうた』よりも前に刊行された初のエッセイ集『そして生活はつづく』の時に「『自分探しの旅』などとはよく言うが、私にとっては自分探しなんて孤独で辛そうなものより、積極的に『自分なくし』をしていきたい」「みんなばらばらでいいじゃないか。だってそもそもばらばらなんだし」「私はずっとひとりだったのである」と書いていた星野源が、病気療養の時期も経て、シングル『SUN』〜アルバム『YELLOW DANCER』〜シングル『恋』誕生の経緯も綴られた今のところの最新エッセイ集『いのちの車窓から』では「『ひとりではない』と感じる。そう感じられることが嬉しい」と書くようになった。
『ばかのうた』の時の星野源の音楽と、今の星野源の音楽が大きく変わっていることは誰もがわかると思うけれど、その変化の意味が何であるかや、その中でも彼の中で変わらないことが何であるかはそう簡単に説明できない。
しかし星野源が文筆家として書いてきたことをひもとくとそれがよくわかる気がしたので、僕はこの記事を書いた。

先日、配信リリースされた新曲“アイデア”は、1曲の中でその変化の意味と、それでも変わらないことを語りきった、言わば星野源のこれまでの歩みの集大成の曲である。
《つづく日々の道の先を塞ぐ影》が現れたとき、それを越えていくために必要なものが「アイデア」。
それは星野源にとっては主に「音楽」とか「歌」のこと。
でも音楽に付随する音楽以外のものも含めた「面白いこと」や「素敵なこと」すべても含む。
そんな「アイデア」を紡ぎ続けてきたから星野源は「『ひとりではない』と感じることが嬉しい」人になった。
もしも立ち塞がるのが影よりも遥かに深い真夜中の闇のようなものだったとしても、あなたの胸が鼓動を刻んでいれば、それが歌になってまた「アイデア」が生まれる。
つづく日々が奏でられていく。

星野源が今、発信している表現はどれも未来を楽しく温かく照らしている。
その理由が“アイデア”という曲には詰まっているのである。(古河晋)
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