米メディア「Pitchfork」が「かわいいを再定義するバンド」CHAIを特集。かわいい&ピンクを語る

米メディア「Pitchfork」が「かわいいを再定義するバンド」CHAIを特集。かわいい&ピンクを語る

米音楽メディア「Pitchfork」が「Meet Chai, the Eclectic Japanese Rock Band Redefining What It Means to Be Cute(かわいいを再定義する日本の“折衷”ロック・バンド、CHAIに話を聞いた)」と題したCHAIの特集を公開している。

これは9月初旬の水曜日夜、CHAIがニューヨークでライブ・デビューを果たした際に行われたインタビューが掲載されたもの。


まず「Pitchfork」はバンドについて「彼女たちの存在は純粋な喜び」であり、「CHAIの楽しそうな見た目は、彼女たちが感じる日本の抑圧的な『かわいい』イメージを解体して破壊するという、表明されたバンドの使命とは相容れないように思える」と形容。
また、「彼女たちは、人間の不完全さを抱きしめて祝福することを表わす新たなフレーズを作り、バンドの最重要コンセプトを『ネオかわいい』もしくは『ニュー・キュート』と呼んでいる」とバンドのコンセプトを説明している。

この特集ではバンドの結成までの道のりをたどりつつ、グラミー賞を真剣な目標に掲げていることにも言及。
そして「野心と誠実さと明らかなワクワク感のミックスは、彼女たちがやることすべてに見て取れるように思える。そのジャンルを無視した楽曲にも、スリリングなパフォーマンスにも、そして会った時の礼儀正しさにも」とバンドの印象を語っている。

インタビューでは、「『かわいい』はあなたたちが成長する中でどんな影響がありましたか?」との問いかけに対し、マナ(Vo・Key)は「日本社会では、かわいいはひとつの基準で、それ以外のものは全部醜い。私は自分がかわいい基準に達してないと感じてたから、すごく影響を受けました。そこに当てはまらない人は『かわいい』という言葉にすごく傷つくし、すごく悩んでしまう」、「だから私たちは誰もがかわいいんだっていう曲を作ることに決めました」と回答。

またカナ(Vo・G)は、日本に生まれ育ち、目が大きいことがかわいいと思われ人気がある、という価値観にしか触れてこなかったものの、大学時代に初めて海外の人と出会い、「日本がかわいいと呼び続けてきたもの以外の、別の『かわいい』があること」を知り、そして「かわいいなんてもう気にしなくていいんだ」と気づいたのだという。


また、バンドのテーマカラーである「ピンク」についてユウキ(B・Cho)は以下のように語っている。

日本は、若い女の子はピンクを着ていいけど、年を取ったらピンクは着ないものという文化的了解があります。私たちが言おうとしているのは、ピンクは誰が何歳で着てもいいってこと。ピンクはかっこいい色で、女性のパワーを表わしているんだってことをみんなに伝えたかった。私たちのピンク色の衣装は、私たちがかわいいだけじゃないことを表わしています。これはかっこいい女性が着るものなんです。おへそのところに穴が開いている理由は、日本では、みんな控えめにしがちで、あまり肌を露出しません。だから私たちはその反対をやりたかった。私たちはそんなこと気にしないよ、私たちは自由なんだからって。


CHAIは今年2月に『PINK』US盤をアメリカのインディーレーベルBURGER Recordsよりリリースし、8月にはイギリスのインディーレーベルHeavenly Recordingsよりデビューしている。
現在はスーパーオーガニズムのワールドツアーにサポート・アクトとして参加、今年8月よりスタートしているワールドツアーのイギリス・アイルランドの計13公演に出演する予定となっている。


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