1968年に発表されたザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの名作『エレクトリック・レディランド』が50周年記念盤となって11月21日にリリースされる。
『ロッキング・オン』12月号では、半世紀経った今もなお音楽史における名盤として輝き続ける同作に迫るべく、1969年のジミ・ヘンドリックスの貴重なインタビューを掲載している。
『エレクトリック・レディランド』完成までにかなりの時間を費やしたジミだが、その時間がかかった原因について、以下のように答えている。
ツアーしながら同時に作業してたからさ。掛け持ちはキツいよ。だってレコードでもベストを尽くしたいじゃないか。持って生まれた能力と才能を、最大限発揮して演奏したいし歌いたいと思ってる。
だがそれには時間が必要だ。さっさと終わらせるなんてことはできないんだよ。
また、今以上に人種や肌の色による差別が音楽にも反映されていた当時、ジミは自身の音楽、またそのリスナーについて以下のように考えていたようだ。
(中略)俺たちの音楽は一つの方向性に限定されてないんだよ。だから曲によってはかなりフリーキーでイマジネーションに溢れたサウンドに仕上がってるから、白人のリスナーがいきなり気に入っちゃうなんてこともあるわけ。
自分たちが伝えようとしてることと繋がってる限り、あるいは形はどうあれ俺の心に触れている限り、いろんな違ったサウンドを取り入れるのが大好きなんだ。
ただ毛色の違ったものにするだけのために受け狙いの変わったサウンドにするのはゴメンだけどね。まあ、そのうちよくわかってくることだと思うけど。
当時のアメリカについて話が続く中で、自身の体験も踏まえて、オープンな気持ちを真っ直ぐに口にしている。
(中略)でも俺は相手が白人でも気にしないよ。言わせてもらえば、自分の務めを果たしてさえいれば俺は誰だって構わないわけ。大事なのはそこなんだ。
俺たちのやってることは誰に対しても完全に開かれてるんだ。俺は大衆と弱者の味方だけど、弱者にけしかけてあれこれやらせようとするのには反対だよ。俺自身何度もやってみてこっぴどい目に遭わされたからね。だから今の俺は、自分のやるべきことを果たせる人間なら誰だって大歓迎なんだ。
特集ではインタビュー以外にも、音楽評論家、伊藤政則氏による『エレクトリック・レディランド』50周年記念盤の徹底レビューも掲載している。
まもなくリリースされる『エレクトリック・レディランド』50周年記念盤、『ロッキング・オン』12月号でその本質にさらに迫ることができるはずだ。
ジミ・ヘンドリックスの特集記事は現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
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