今年、通算6作目のニュー・アルバム『グラヴィティ』をリリースしたブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン。
『ロッキング・オン』2019年1月号では、同アルバムについてフロントマンのマット・タック、そして2017年に加入したドラマーのジェイソン・ボウルドへのインタビューを掲載している。
北欧のメタル名門レーベルであるスパインファーム・レコードへ移籍してリリースされた同アルバムだが、メロディアスさが前面に出ている点など、前作より進化した部分についてマットは以下のように語っている。
単純にそれが今の自分たちのやりたい音楽だったからだよ。大胆かつビッグで、壮大で、アンセミックで……しかも自分たちが今までやってきたどの作品とも違ってて、っていうさ。
これだけ長いことキャリアを重ねてきて、作品数もある程度揃ってるバンドが新しいことに挑戦するとなると、相当な勇気がいるんだけど、だからこそ逆にエキサイティングで面白いわけであってさ。
ただ、新たにジェイソンが加入したり、レーベルが変わったこともあって、今までとは違う方向に舵を切ってみるにはちょうどいい時期なんじゃないかと思ってね。そりゃまあ、リリースした時にはいろんなリアクションなり評価なりがあったけど、それも覚悟の上だったからね。
ただ、しばらく時間が経った中でレビューやコメントをチェックしてると、徐々に理解されて浸透しつつあるなっていうのを感じるし。少なくとも自分としては大満足だね。今までやったことのない新しいことに挑戦して、BFMVの表現を新たなレベルに押し上げることができたからね。
また、新加入したジェイソンへ、速いドラムを叩く以上に、同アルバムの楽曲のような多彩なリズムの曲を叩くのは大変だったのではないかと訊くと、以下のように答えてくれた。
(中略)自分は11歳の時からメタル・バンドでドラマーをやってるんで、高速で叩く方がむしろ楽勝なくらいでね(笑)。
それよりもグルーヴのある曲を、3分なり4分なりきちんと情感を込めながら叩ききることの方が、自分にとっては難しいくらいで……今回、マットがかなり斬新でグルーヴ感のあるドラムの曲を書いてきたかね。
だからこそ、そういう自分があえてグルーヴのある曲に合わせてドラムを叩くからこそ面白いんであってさ。ただ、そこはあくまでも全体の流れを考えた上でね。自分の一番重要な役目はあくまでもボーカルを引き立てることだと思ってるんでね。
これまで以上にメロディアスで、多彩なリズムの楽曲が収録された同アルバムだが、タイトルやアートワークも含め表現していること、またアルバムのテーマについてマットは以下のように答えている。
(中略)解釈は人それぞれだろうけど、アルバムのタイトルが『グラヴィティ』(重力)で、ジャケットに翼が描かれて、最初の曲のタイトルが“リープ・オブ・フェイス(信念を持って飛び立つ)”で。
(中略)今回のアルバムは苦悩についてであり、そこから解放されることであり、自分自身の感情を押し殺すことなく自分を表現することであり、自分自身を認めて受け入れてやることであり……まあ、他にも人によっていろんな解釈ができるだろうけど。
ただ、今回のアルバムの究極のテーマは、いかなるルールにも縛られずに、今のありのままの自分を表現するっていうことなんだ。『メタル・バンドはこういうものだ』っていうルールや先入観も一切投げ打ってね。
インタビューでは他にも、「BFMVが選ぶ、今あえて聴くべき最強のメタル・アルバム3枚」と題し、2人が好きな作品を挙げながら、楽しそうに話す場面もみられる内容となっている。
デビューから10年以上、常に世間からの評価と向き合ってきたバンドが迎えた新章とは? マットとジェイソンが語り尽くした『グラヴィティ』のすべては『ロッキング・オン』1月号を確認してもらいたい。
ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインのインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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