レディオヘッド、ステージでの死傷事故の新たな調査が来年3月に開始か。発生後6年経過も興行業者への起訴が進展せず

レディオヘッド、ステージでの死傷事故の新たな調査が来年3月に開始か。発生後6年経過も興行業者への起訴が進展せず

2012年にトロントで起きたレディオヘッドのステージ崩壊事故の新たな調査が、来年3月に始まると報じられていることが明らかになった。

事故は2012年6月、トロントのダウンスビュー・パークで開催予定だった公演の準備中に発生。照明装置の崩落に巻き込まれたバンドのドラム・テクニシャン、スコット・ジョンソンが死亡した。当時33歳だったジョンソンは英ドンカスター出身で、レディオヘッドの他にも多くのアーティストのツアーで仕事をしていた。このステージ事故では他にも3人が負傷している。

2013年にはオンタリオ州労働省が、同州の労働安全衛生法に違反したとして興行業者のライブ・ネイションと足場施工会社のオプテックス・ステージング・アンド・サーヴィス、エンジニアのDomenic Cugliari氏を訴えたが、ライブ・ネイションは違法行為はなかったと否定した。

そして昨年9月、この裁判は訴追猶予となり、何の罪も問われない状態のまま停止されることとなった。この報道を受けトム・ヨークは、この結果に「愕然としている」、「スコット・ジョンソンとその両親、そして僕たちのスタッフへの侮辱だ」とのコメントを発表した。

その後2017年11月、オンタリオ州の検視長官がこの事故とジョンソンの死に関する審問を行なうことに同意したと報じられたが、その時期については発表されていなかった。

そしてこの度、「Canadian Press」「The Globe and Mail」の報道によれば、新たな調査が2019年の3月25日に開始されることが明らかになったという。

検視官の顧問を務めるPrabhu Rajanは「The Globe and Mail」の取材に対し、レディオヘッド、オプテックス・ステージング、ライブ・ネイションといったすべての当事者が調査に立ち会うことが望ましいと語っているとのことだ。

なお、事故発生当時、ドラマーのフィリップ・セルウェイは「CBC News」の報道番組「The National」で放送された同事故のニュースの中で、涙ながらに以下のように語っていた。

事故は午後4時に起こった。でももともとはバンドのサウンドチェックが始まるのがその時間の予定だった。事故が起こった時、予定通りであれば僕が、スコットがいた場所にいるはずだったんだ。その事実はとても重い。

私個人としても、この件をうやむやにすることはできないんだ。(中略)しっかりとした結論を見届けたい。スコットへの敬意を持った結論を。

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