昨年10月、舞台俳優のアンソニー・ラップを発端に、復数の映画関係者から過去の不適切な性的接触を告発され事実上の活動休止状態にあるケヴィン・スペイシーが、自身の容疑を否定する動画を公開した。
スペイシーは2016年7月にマサチューセッツ州のバーで10代の少年に性的暴行を加えた容疑で訴追されており、現地時間1月7日に罪状認否を控えている。
昨年の10月以降続いていた沈黙を破りYouTubeで公開された今回の動画では、スペイシーが出演作『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の役柄であるフランク・アンダーウッドになりきり、「今、私は何も恐れてはいない。なぜなら、私は自分がやったと言われていることに対してその代償を払っていないのだから、自分がやってもいないことに代償を払うわけがないと、君たちに約束することができるからだ」といったフランク・アンダーウッド的言い回しで、自身にかけられている疑いを否認している。
「Let me be Frank」というタイトルが付けられた(「フランクになる」と「率直に話す」の掛け言葉になっている)動画の中の、スペイシーの発言の一部は以下の通り。
もちろん中にはすべてを信じている人もいるだろうし、私が洗いざらい告白するのを固唾を飲んで待っている人もいるだろう。彼らは私が、この話はすべて本当で、こうなったのも当然の報いだと打ち明けるのを聞きたくてたまらないんだ。もしそれほど単純な話だったとしたら話は早いだろうね。
ただし君も私も、政治においても人生においても、物事がそれほど単純ではないことを知っている。まさか君は、証拠もなしに最悪な事態が起きたなどと信じたりはしないだろう? 事実確認もせずに早まった判断を下したりはしないだろう?
そう、君はそんなことしないはずだ。君はもっと賢いはずだからね。
なお、スペイシーは容疑により『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の第6シーズン放送開始前に同シリーズを降板となっており、第6シーズン以降はスペイシー演じるフランクが亡くなったという設定となっている。
今回公開された動画の最後でスペイシーは、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』への復帰を示唆するかのように「そうだ。考えてもみれば、君たちは誰も、私が実際に死ぬところを見ていないだろう。人を騙すような結末もあるものだ。私が恋しいだろう?」とコメントし締め括っている。