Perfumeはコーチェラの舞台でいかに挑み世界と繋がったのか?

「挑戦と闘いのPerfume」が、あのコーチェラの舞台に立っていた。最高だった。

4月12〜14日/4月19〜21日(現地時間)の2週にわたって米カリフォルニア州で開催された世界最高峰の野外フェス「The Coachella Valley Music and Arts Festival 2019」に、PerfumeはJ-POP女性グループとして初出演を果たした。

1週目のアクトを終えた段階で、米ローリングストーン誌が発表したベストアクト16のリストに選出されるなど、世界の音楽ファンの熱視線を集めてみせたPerfume。日本時間4月22日16:00からYouTubeで配信された2週目のアクトの模様を、多くの方がご覧になったことと思う。

今回配信された映像では、冒頭の“STORY”から“Future Pop”、“エレクトロ・ワールド”……とハイパーに磨き抜かれたダンスポップアクトを披露。さらに“If you wanna”から、可動スクリーンに映し出されるシルエットとスリリングな演舞を繰り広げた“FUSION”へ――という流れを目の当たりにして、昨年の「Perfume 7th Tour 2018『FUTURE POP』」を実際に体験された方はひときわ感激を新たにしたことだろう。

昨年3月に行われたPerfume史上最もエクスペリメンタルなステージ「Reframe」の感覚を、ぜひ全国のみんなにも体験してもらいたい、とツアーのセット前半部に組み込んでいた3人。“Future Pop”〜“FUSION”はまさに、メンバー自身も「ストイック」と評していたセット序盤の曲順そのものだった。
3人は自身のヒットナンバー大盤振る舞い的な祝祭感を演じるためではなく、最先端の技術とコラボレーションしながら世界のポップを更新する挑戦と闘いのために、あの舞台に立ったのである。

そして――コーチェラのステージの後半、“だいじょばない”や“FLASH”ではライゾマティクスによるリアルタイムエフェクトと3人のアクションが鮮烈にリンクして、カラフルなポップの極致を描き出していく。
今回の動画配信が録画映像だったこともあり、そのモーションキャプチャのあまりの自然さに「後処理では?」の声もタイムラインに散見されたほどだった。が、真鍋大度自身「すべてリアルタイム処理で後処理一切していません 頑張りました」とツイートしている通り、あの光景のすべてはライブのステージで、実際にフェスの観客が目撃したものだった、ということだ。

Perfumeはいつだって、ポップの多幸感そのもののような空気感を放ちながら、一貫して「外の世界」へ向けて挑戦し続けてきた。
いち早くロックフェスに出演して絶大な人気を博したのも、未知のテクノロジーを自らの表現として血肉化する姿が無上の高揚感を喚起してやまないのも、すべてはあ〜ちゃん/かしゆか/のっちの「前進への想い」の果実に他ならない。
3人の「その先」のビジョンをもっと追い続けていきたい――改めて心からそう思える名演だった。(高橋智樹)

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