ピーター・フックが語るジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダー、それぞれの歴史――「俺たちは時代と見事に合致してたと思う」

ピーター・フックが語るジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダー、それぞれの歴史――「俺たちは時代と見事に合致してたと思う」 - 『rockin'on』2019年6月号より『rockin'on』2019年6月号より

4月5日に1stアルバム『ムーブメント』のボックス・セットがリリースされたニュー・オーダー

『ロッキング・オン』6月号では、同作品がリリースされることを受け、ピーター・フックが当時を振り返った貴重なインタビューを掲載している。

未発表曲なども収録した今回の『ムーブメント』のボックス・セットだが、オリジナルのリリースから38年を経て、フックにとって本作は一体どんな意味を持っているのだろうか?

(中略)俺たちは、ジョイ・ディヴィジョンとしては成功のピークで完全に叩き潰されることになった。その成功の奪われ方はあまりにも残酷なものだったし、さらにリード・ボーカリストの失われ方も残酷だった。だから、今振り返ってみると、俺たちがその後も生き残り続けたことについて、本当に驚かされてしまうんだよ。

ニュー・オーダーについては、ポップ的な観点からみれば、ジョイ・ディヴィジョンよりは売れるバンドだったから、それが80年代前半のカルチャーの時代性としっかり呼応してくれることになったんだね。だから、俺たちは時代と見事に合致してたと俺は思うんだ。


イアン・カーティスの死により終わりを迎えたジョイ・ディヴィジョン、残されたメンバー3人によって生み出されたニュー・オーダー、その移り変わりの中で作られた『ムーブメント』は、フックにとって過去と未来、どちらを強く意識した作品だったのだろうか。以下のように語った。

(中略)悲しいことに、自分たちがジョイ・ディヴィジョンとイアンとともに失ったものの影が、ニュー・オーダーの上に大きくまとわりついていたんだ。要は、自然体で、落ち着いてやれるかどうかの問題なんだよ。

だけど、このアルバムを作ってる間、俺たちがしっくりくる感じを得ることは一度もなかったんだ。すべての関節がずれてる感じで、なにをやるにもしんどかった。でも、実際にはそんなことなかったと思うんだ。

(中略)ニュー・オーダーをいざ始めて、そこへ自分たちをどんどん投入させていくこと、これこそがジョイ・ディヴィジョンの暗雲から自分たちを解放してくれる解毒剤となったんだ。俺たちの歴史には常に比較の問題があって、どんなことがあっても、ジョイ・ディヴィジョンと比較されることになる。そして、この時点ではニュー・オーダーの方が劣っていると評されていたわけだけど、このアルバムを制作した状況を考えると、よくここまでいいものを形にしたなと思うんだ。


インタビューではその他、なぜ今回ボックス・セットをリリースしようと思ったのか、さらに『ムーブメント』制作時のメンバーの人間関係についてなど、フックが当時どんな思いで活動していたかが詳細に語られている。

人間関係のもつれなどから、作品としての本質がなかなか評価されにくかった『ムーブメント』はいかにして生まれたのか、『ロッキング・オン』6月号にてその答えを確かめてほしい。



ピーター・フックへのインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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