7月26日(金)〜28日(日)の3日間にわたり、新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催された「FUJI ROCK FESTIVAL '19」では、フェス初日、ホワイト・ステージのトリを務めたトム・ヨーク。
『ロッキング・オン』9月号では、過去トム・ヨークへ行ったインタビューにて過去に掲載できなかった「未発表音源集」=レディオヘッドからソロ・ワークまで、彼の作品におけるアートワークやステージ・ビジュアルなど視覚面に迫った内容をお届けしている。
レディオヘッド、そしてソロに至るまで、トム・ヨーク作品のアートワークは大半をスタンリー・ドンウッドが手掛けている。
『キッド A』などのアートワークには、自然によるカタストロフ、つまり終末的な要素にて共通する部分があるのではないかという問いに対し、トムは『ジ・イレイザー』のアートワークを例にあげ、以下のように語った。
僕たちは、一度、本当にとんでもない、悲惨な洪水災害に見舞われたことがあったんだよ。まるまるひとつの村が破壊された光景を目にしたんだ。で、あの体験には本当に強く心を揺さぶられたし、だから僕たちも」よし、やってやれ!」ということになったんだ、ドン(スタンリーの愛称)にしても、「僕に見えているのはこういう光景だし、この音楽を聴いていて自分の脳裏に浮かぶのはこういうものだ」と。
(中略)僕たちがアートワークに取り組むそのやり方には、実はある種いたずらっぽい面も含まれているんだよね、その点って、しばしば見落とされてしまっているなと僕は思うけれども。『キッド A』がとりわけそうだな、『キッド A』の内ジャケに含まれているアートワーク、あの多くを僕はすごく、すごく可笑しいなと思うし(笑)
また、今回のフジロックのステージでも披露した、トゥモローズ・モダン・ボクシーズのライブ・ビジュアルについて、コラボレーターのタリク・バリとの作業を通して感じたことを語っている。
何か3Dなオブジェを元にして、それを2Dにまで還元して欲しい、と。そうやってそれを絵画みたいなものへと変えたところで、彼はそこにある種のフィードバック機構をクリエイトしたし、だからそれ自体の中で常時フィードバックのループが起きていることになる、イメージが常にフィードバックを続けていく云々、と。
で、彼はそうした環境群の中を自由に動いているんだよね……そもそもは、彼は音楽作りに使うつもりであの環境を作り上げたんだよな。
インタビューではこの他にも、トムが音楽が手掛けた、ルカ・グァダニーノ監督によるリメイク版『サスペリア』の作業についても触れられている。
トム・ヨークの新しい表現を追求していく一面が垣間見られる貴重なインタビューの全容は、ぜひ『ロッキング・オン』9月号をチェックしてみてほしい。
トム・ヨークの関連記事は現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。