WANIMAの歌の優しさと悲しさが凝縮された“りんどう”の素晴らしさを語ろう

WANIMAの歌の優しさと悲しさが凝縮された“りんどう”の素晴らしさを語ろう
ミュージックビデオ公開3週間後の本稿執筆時点では、130万回以上の再生回数を記録しているWANIMAの“りんどう”。10月23日(水)リリースのニューアルバム『COMINATCHA!!』(読み:カミナッチャ)から既に先行配信もされているナンバーだが、この曲について書いてみたい。

新曲といえば新曲なのだが、“りんどう”はそもそも2018年の「Everybody!! Tour」途中から1年半以上も披露され続けてきたナンバーだった。遂にお目見えした音源にはピアノやストリングスの美しいアレンジが施され、心細くも気高いフォーキーソウルのグッドメロディを引き立てている。KENTA(Vo・B)はライブ中に、メンバーの故郷・熊本県の県花でもあるりんどう(竜胆)について、群生することなく野に咲く花であることを語っていた。

だからだろうか。MVの方も、WANIMAにしては珍しく、KENTAが夕焼けの美しい大自然を背景に一人きりで熱唱するシーンを中心に構成され、楽曲後半になってようやく3人の演奏シーンがフィーチャーされている。アリーナやドームや野外フェスで盛大にわちゃわちゃとパーティーを繰り広げていたWANIMAが、この曲を披露する一幕ばかりは、ぐっと自分だけの思考の時間に引き込むスピリチュアルなムードに育まれる点も印象深かった。


《弱いままで強くなれ》。“りんどう”にはそんなメッセージが込められている。長いものに巻かれることなく、孤独に気高く生きる者は、社会の少数派として、数的弱者としてタフに生きることを強いられるだろう。それでも、いつだってこの世界は多数派が正しいとは限らない。《生きて 生きて 生き抜いてやれ/汚れたのはどっち?見上げた青空》。孤独にしなやかに美しい花を咲かせるりんどうは、きっとそれぞれに、しかし同じ空を見上げているはずだ。

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2019年11月号インタビューでは、“りんどう”がニューアルバム『COMINATCHA!!』のタイミングまで音源化されなかった理由についても語られているので、ぜひ読んでみてほしい。「もっと遠くまで、もっとたくさんの人に、歌を届けたい」。KENTAはステージ上から、事あるごとにそんなふうに語ってきた。日々笑いながら、わちゃわちゃと楽しく生きるばかりではない。ときには孤独と戦い、空を見上げるあなたにも届く歌。この歌の射程範囲は計り知れない。りんどうの花言葉は、「あなたの悲しみに寄り添う」、「正義」、「誠実さ」である。(小池宏和)
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