ブリング・ミー・ザ・ホライズン、BABYMETALの最新ツアーSPゲストとして来日! SSAでのライブ・レポートが公開

ブリング・ミー・ザ・ホライズン、BABYMETALの最新ツアーSPゲストとして来日! SSAでのライブ・レポートが公開 - pic  by Masanori Narusepic by Masanori Naruse

11月16日(土)、17日(日)に開催されたBABYMETALのツアー「METAL GALAXY WORLD TOUR」さいたまスーパーアリーナ公演にブリング・ミー・ザ・ホライズンがスペシャル・ゲストとして出演、同公演より初日11月16日の公演のライブレポートが公開された。



11月16日。BABYMETAL「METAL GALAXY WORLD TOUR」初日のさいたまスーパーアリーナ公演に、スペシャルゲストとしてブリング・ミー・ザ・ホライズンが出演した。これは、8月に新木場スタジオコーストで単独ライブを行って以来の来日公演となる。『ザッツ・ザ・スピリット』、そして『アモ』においてより一層明確になった、ロック・バンドのオーセンティックなギター・サウンドの「型」を突き破ろうとする姿勢。そうしてビート・ミュージックもダンス・ミュージックも喰らい尽くし、それに伴って幅を広げた歌のスケール感が、彼らが世界各地で受け入れられる間口となっているのは間違いないだろう。トラップの隆盛以降ラップ・ミュージックが現行のポップ・ミュージックの覇権を握った時代に対応するサウンドメイク(この日の"MANTRA”でも改めて実感したが、中域の角を落とし、ウィスパーまで落とした歌を際立たせる音作りがキメ細やかだ)。さらに、そのテクスチャーに沿ったメロディの聴かせ方。双方において意識的な変化を果たした『アモ』は改めて特筆すべきで、そのロック・バンドを刷新する意識によって、ロック・バンドのシーン自体が消失しかけている今もなお国境を超えて活動を拡大し続けている稀有な存在だ。この日も同アルバムからの楽曲を主軸に据えたライブでありながら、気候変動や人間の分断が最果てまで進んだ世界を舞台にしたPlayStation®4ゲーム『DEATH STRANDING (デス・ストランディング)』に提供した新曲“Ludens”で火蓋を切るあたりに、このバンドの異様な進化スピードを改めて実感する。曲全体に通底するインダストリアルかつ無機質なビート。聴く人をハーフでジャンプさせるリズム(これもトラップを消化して以降の発想だろう)。さらに初期メタルコア時代を思わせるブレイクダウンで叩き落として肉体的なカタルシスを生んでクライマックスに向かう同曲は、世界中に蔓延する閉塞感と絶望の沸点を「落とす」ことで表現する現在のポップ・ミュージックのトレンドに共鳴しながら、しかしエクストリームなハードコアを出自に持つ彼らでしか表現できないものも同時に提示されている。退廃と再生がカラフルに表現されていく映像演出とともに、痛みを歌い続けてきた彼らが自覚的に「希望は消えない」というメッセージを世界へ投げかけた曲。その最新曲に自ら共鳴するようにして、ここへ集った人々へ自ら語りかけ、ステージを何度も降りては近づいて触れ合い、笑顔を見せながら熱狂と狂乱と巨大なモッシュピットを生んでいくライブだった。過去曲ももちろん多く披露されたが、それらが従来の鋭利なサウンドではなくアリーナを一瞬で巻き込むスケール感を誇るものにビルドアップされている点も、言葉が通じなくとも2万人以上を一瞬で引きずり上げていける要因だろう。革新を繰り返した過程と、変わらぬ肉体性。その両方が躍動し続けるライブだった。

ブリング・ミー・ザ・ホライズン、BABYMETALの最新ツアーSPゲストとして来日! SSAでのライブ・レポートが公開 - pic  by Masanori Narusepic by Masanori Naruse

そのアクトで完全に着火したオーディエンスに対し、BABYMETALは、最新アルバム『METAL GALAXY』を中心にMCなしのハードコアなライブを披露。ユーロビート、レゲトン、ボリウッド……世界中のダンサブルなリズムを食らい、マッシヴな音色と獰猛なモッシュパートを融合した同作は、まさにメタルを通じた世界の旅が音楽になっていた。こうしてメタルの様式美自体を突き破る編成と活動がブリング・ミー・ザ・ホライズンとも共鳴していることは誰もが理解しているだろう。だからこそ、これから先もこの2組の競演と、この2組が繋いだ絆によって世界規模での音楽越境が起こっていくだろう。そんな予感と高揚を放つ1夜だった。(文=矢島大地)

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なお、バンドは本日11月18日(月)にZepp Bayside Osakaにて単独公演を開催、その後11月20(水)、21日(木)にはBABYMETALのツアー、大阪城ホール公演にゲストとして登場する。

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