2008年に米カリフォルニア州ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで起きた火災に関する調査の結果、今年6月、700以上に及ぶアーティストのマスターテープ、およそ50万曲分が焼失していたことが明らかとなったが、どうやらベックもその被害を受けていたそうだ。
「The Sydney Morning Herald」のインタビューを報じた「Consequence of Sound」によると、ベックは自身の音源のほとんどを失ったかもしれないと不安を口にしていたという。
僕のマネージメントは、(火災で)僕のどの音源が焼失したのか教えてくれないんだ。理由についてはきっと、(あまりに被害が大きくて)そのニュースを伝えられないからじゃないかな。
さらに、ベックはこれまでにレコーディングした音源の90パーセントが火事で失われたのではないかと懸念しているようで、2002年の『シー・チェンジ』については、アルバムに収録されなかった音源もすべて焼失した可能性があると語っていたとのことだ。
収録曲にはまったく異なるバージョンがあって、おそらくアルバムに入っていない制作中だったものが10~20曲もあったんじゃないかな。後で仕上げようと思ってた曲だ。クオリティが悪かったんじゃなくて、アルバムの雰囲気に合わなかっただけなんだ。
また、2001年にハンク・ウィリアムスの曲を25曲カバーした未発表のダブル・アルバムもコピーが存在せず、マスターテープにのみ収められていたそうで、この音源についても「おそらく焼失してしまったに違いない」と明かしていたという。
ベックが11月22日にリリースしたニュー・アルバム『ハイパースペース』のレビューは以下。