Chara+YUKI再始動!2人が交差するときなぜ素晴らしい歌が生まれるのか?その幸福な共犯関係を振り返る

11月26日、飛び込んできた「Chara+YUKI再始動」のニュース! 1999年の同じ日、コラボレーション楽曲『愛の火 3つ オレンジ』をリリースしてからちょうど20年。このときは実質1曲の発表に留まっていたけれど、なんと今回は先行アナログシングルとミニアルバムをリリースするうえ、東阪でライブも開催するとのこと。Chara+YUKIが実際に動いているところを見られるなんて、想像するだけで興奮する。発表にあわせて公開されたアーティスト写真のキュートな佇まいといったら! 20年の時の流れを感じさせない……というよりも、2人が音楽とともに重ねてきた20年の結果放つ輝きのような気もして、それもなんだかとても嬉しい。

Chara+YUKI、約20年ぶりに再始動。音源作品発売&ツアー開催決定
CharaとYUKIによるコラボレーションユニット「Chara+YUKI」(読み:ちゃらゆき)が、新作音源のリリースを発表した。 これは1999年11月26日にシンガーソングライター・Charaと当時JUDY AND MARYのボーカリストだったYUKIが、コラボレーション楽曲『愛の火 …
Chara+YUKI、約20年ぶりに再始動。音源作品発売&ツアー開催決定 - Chara+YUKI

そもそも唯一無二の歌声と表現力を持つ2人が揃うだけで、そりゃあすごいことになるでしょう、というのは当然なのだが、殊にChara、YUKIの2人が揃ったときの相乗効果は「幸福な共犯関係」とでも言うべき、素晴らしいものがあると思う。

直近では今年はじめにYUKIがリリースしたアルバム『forme』で、Charaが楽曲“24hours”を提供したことが話題になった。Charaの類まれなメロディセンスが存分に活きた煌びやかなこの曲を、YUKIがのびのびと、みずみずしく歌い上げている。
“24hours”は、2人がCharaの家で楽器を鳴らしながら、その場のひらめきでメロディと歌詞をのせて作り上げていった楽曲だ。自身も素晴らしいボーカリストでありながら卓越した作曲感覚を持つCharaと、楽曲から湧き上がるイメージを敏感に読み取り、歌に昇華するYUKI。この2人が揃ったからこそ生まれた美しい名曲になっている。20年前のChara+YUKIでも同じようなスタイルで曲作りを進めていたそうで、それまで「歌詞を書き、歌う」ということを第一に取り組んできたYUKIが、作曲や録音に踏み込んでいくきっかけのひとつになったと言える。またYUKIは自身から出てきたメロディについて「Charaが良いじゃん、と言ってくれれば大丈夫と思える」という旨の発言もしており、2人の信頼関係が窺える。CharaはYUKIにとってミュージシャンとして先輩でもあり、その包容力でYUKIを引っ張っていったことも、また素敵だと思う。

そして2人のコラボといえば他にも伝説の5人組ガールズバンド、Mean Machineが挙げられるだろう。2001年に結成してからの活動期間はごく短かったものの、荒削りながら生命力に満ち、オルタナティブなひらめきに富んだ作品群を残している。
このバンドにはCharaがYUKIを誘ったそう。「やったことのない楽器をやる」、「楽しくやる」という思想のもと、CharaとYUKIはなんとドラムを担当。ツインドラムを擁するバンドは今でもかなりレアだが、当時はいっそう斬新な存在だったのではないだろうか。もともとサウンドプロデュース能力にも長けるCharaは、Mean Machineでも音作りを引っ張る存在であり、このバンドでYUKIは初めて本格的に楽器の演奏に取り組んだ。溢れる好奇心とともに駆け抜けたこのバンドが、2人にとって新たな扉をいくつも開いたことは想像に難くない。

こうしたCharaとの共同作業を通じてYUKIは、より自由に他者と音楽で繋がるためのヒントを数多く得たのだろうと思う。一方CharaはYUKIのワードセンスに学ぶところが多くあったようだ。そして、愛情を持ってYUKIを導くChara、それに応えるべく自らの翼を全力で羽ばたかすYUKI、という関係が、素晴らしい作品を生み出したことに胸が熱くなる。

『愛の火 3つ オレンジ』ではどこか幼気な歌声を響かせ、愛を歌っていた2人。あれから20年、CharaもYUKIもそれぞれ、音楽でたくさんの愛を響かせてきた。そんな2人がいま再びChara+YUKIとして交差したとき、とんでもなく素敵な歌が生まれる気がしている。新作のリリースが待ち遠しい!(徳永留依子)
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