あのバンドマンたちも出演! 「シーチキン食堂」CM を見るとなぜほっこりした気持ちになるのか?
2019.12.17 18:00
♪シーシーシーシー シーチキン……テレビからこの“シーチキンのうた”が聴こえると、おっ!と注視してしまうのは、私だけではないはず。箭内道彦が演出する、はごろもフーズ「シーチキン食堂」のCM。たくさんのバンドマンたちが、「シーチキン兄弟」として出演しているので、ロック好きなら知っているはずだ。これまでの出演者を挙げるとTOSHI-LOW(BRAHMAN)、Mummy-D(RHYMESTER)、ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)、ひなんちゅ(SILENT SIREN)、松田晋二(THE BACK HORN)、上江洌清作(MONGOL800)、大澤敦史・河本あす香・junko(打首獄門同好会)、亀田誠治、谷口鮪(KANA-BOON)、ホリエアツシ(ストレイテナー)、渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)、増子直純(怒髪天)、加藤ひさし(THE COLLECTORS)、TAKUMA(10-FEET)、高橋優、北島康雄・U太・まさやん・モリス(四星球)……。彼らが入れ代わり立ち代わり、主演の宮﨑あおいを囲み、様々なシチュエーションで“シーチキンのうた”を歌い鳴らすのが、「シーチキン食堂」のCMだ。ついつい注視してしまうのは、言わずもがな、地上波ではレアなバンドマンがズラリと出演しているから。でも、いつしか、それだけではない「ほっこり感」を求めて、このCMを見ていることに気が付いた。
子どもの頃から慣れ親しんできた「シーチキン」。「ツナ缶=シーチキン」と呼んでしまうくらい、なじみ深い食べ物。でも、なじみ深すぎて、すすんで食べることは少なくなっていたように思う。でも「シーチキン食堂」のCMによって、再び「シーチキン」は気になる存在となった。レアなCMが引き出した、おなじみの食べ物の魅力。そして思い出は、実家の食卓までさかのぼっていく。バンドマンと実家の食卓をつなぐ存在、「シーチキン食堂」。この違和感であり、ほっこり感がたまらないのだ。
また、もう一度「シーチキン兄弟」の面々を見てほしい。ジャンル、キャリア、パートまで様々なのだ。これだけバラバラなバンドマンが「シーチキン」の名のもとに集うなんて、なんともピースフルではないだろうか。「食べ物ってみんなを繋ぐのね」という、スケールの大きなところまで、思いを巡らせてしまう。そして、CMが描く、日常の中で音楽と食事が並んでいる光景は、「どっちも生きる上で大切!」と思っている人たちに、しっくりくる。
ここまで「ほっこり感」の深読みをしてきたが、シンプルに、バンドマンが料理を食べているところも、素顔が見れて面白い。さらに、慣れない演技に奮闘しているバンドマンたちを見れるというところも、ほっこりさせられる(意外とハマっている人もいるけれど)。また、新たなシチュエーションの「シーチキン食堂」も見てみたい……というか、書いているうちに「シーチキン」が食べたくなったので、このへんで締め括ります。サラダかな? パスタかな?(高橋美穂)