特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(6日目)

特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(6日目)

2020年を迎えて早くも初夏に。パンデミックの影響で巣ごもりの時間が長引くなか、音楽を心の拠りどころにする人も多いことでしょう。そこで、ロッキング・オンが選んだ「2010年代のベスト・アルバム 究極の100枚(rockin’on 2020年3月号掲載)」の中から、さらに厳選した20枚を毎日1作品ずつ紹介していきます。

10年間の「究極の100枚」に選ばれた作品はこちら!


『ローナイズム』
テーム・インパラ


特別企画! ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(6日目)

「おひとり様」の異常な愛情

ありとあらゆる音楽のジャンルやサウンドが、時系列を超えた膨大なアーカイブとして並列に存在する状況を「新規開拓の余地の少ないレッド・オーシャン」と見るか「だからこそ好きな音楽だけを旅して最新型として再構成可能なワンダーランド」と見るかは人それぞれだろう。が、ひとりバンドで60〜70年代のエッセンスを思う存分注ぎ込んだサウンドを構築しオーストラリアのパースから響かせたケヴィン・パーカー≒テーム・インパラはまさに、時代やトレンドの足枷を無効化する音楽ノマド的な価値観によって表現の自由度を獲得した2010年代アーティストの典型そのものだ。

2010年のデビュー作『インナースピーカー』で英米から絶賛された後、2012年にリリースした2ndアルバム。後期ビートルズピンク・フロイドあたりのサウンドスケープへより正確に(?)アサインされたミックスやエフェクトを身にまといながら、ケヴィン自身の歌声とメロディから滲むサイケデリックなポップ・センスをどこまでも妖しく目映く咲き誇らせている。

「すべての楽器をひとりで演奏・録音」という、DTM全盛の現代においては明らかに「非効率的な」手法から浮かび上がるのは、それこそレトリック抜きで「ポップ・ミュージックが、バンド音楽が魔法だった時代」の息吹を半世紀前のテクスチャーから掘り起こしながら己のポップを磨き続けるケヴィンの軽やかな、そして不屈の探究心だ。灼熱の衝動をクールな手捌きで音像化する“エレファント”の図太さに今なお胸躍る。(高橋智樹)
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