「私にとってジャズは、自分を解放する瞬間であり、ジャンルとしてのジャズに落とし込む必要はなくて、音楽と関わり合う上でのスピリチュアルなプロセスみたいなものと捉えているわ」
新人にしてすでに圧倒的な風格をまとうアーティストが、たまに現れる。BBC Sound of 2020とブリット・アワードのライジング・スター賞を制覇したセレステはまさにそんな逸材だ。
アメリカで生まれ、両親の別離を受けて母の故郷英国で育った彼女は、10年前に活動を開始。地道な下積みを経てデビューに至り、このたび待望のアルバム『ノット・ユア・ミューズ』を送り出す。初耳だという方はまず、昨年のブリット・アワード授賞式でフィニアスとビリー・アイリッシュほか会場にいた人々を魅了した、名曲“ストレンジ”のマジカルなパフォーマンスを見て頂ければと思う。エイミー・ワインハウスにも比較され、半端ならぬバズが生まれた理由が分かるはずだ。
果たして、長年共作しているジェイミー・ハートマン(ラグンボーン・マンほか)と作った本アルバムでのセレステは、期待を裏切っていない。歌い手としての才覚に留まらず、高い美意識でシネマティックなサウンドを構想し、パーソナルな葛藤を普遍的なアンセムやトーチ・ソングに転化する豊かな表現力はどう培われたのか。彼女は言葉を丁寧に選びながら解き明してくれた。(新谷洋子)
セレステのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。