リナ・サワヤマの働きかけで、英国もしくはアイルランドで毎年最も優れたアルバムに対して贈られる賞であるマーキュリー・プライズの選考基準が変更されたことが明らかとなった。
リナは2020年にデビュー・アルバム『SAWAYAMA』をリリース。同アルバムはマーキュリー・プライズの候補になるといわれていたが、彼女はイギリス国籍を持っていないため、同賞の候補資格に該当しなかった。
4歳でイギリスに移住したリナは、国籍は日本であるもののイギリスで25年以上暮らしている。人生の大部分をイギリスで過ごしてきたにもかかわらず、イギリスもしくはアイルランド国籍を持つソロ・アーティストのみが選考対象となっていることを知ったリナは、SNSで数ヶ月にわたりキャンペーン「#SAWAYAMAISBRITISH(リナ・サワヤマはイギリスの人)」を展開。アワードを主催する英国レコード産業協会とも話し合いを続けてきたという。
その結果、英国レコード産業協会がマーキュリー・プライズの選考基準を変更。その条件はイギリス生まれのアーティスト、またはイギリスのパスポート保持者(二重国籍可)、もしくはイギリスに5年以上滞在する永住者となり、大きく変化したことがわかる。
この結果を受け、リナはキャンペーンを応援してくれたファンに向けて、感謝の気持ちをツイートしている。
「世界中で<#SAWAYAMAISBRITISH>のキャンペーンをシェアし、“イギリス人の気質”について重要な話題に火をつけてくれたみんなに心から感謝しています。特に、反移民感情によって部分的に推進されたブレグジットの決定後、この変更は、国の文化的な構成を理解するイギリス人の考え方に期待が持てることを意味しています」
なお、昨年8月にリナがマーキュリー・プライズの候補資格を満たしていないことに言及した際、エルトン・ジョンも彼女を応援するメッセージをSNSに投稿していた。
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