「僕たちの音楽を好きな人は、あらゆる音楽を分け隔てなく聴いていると思っていて。ロック一本槍でしか聴かないっていう人はごく少数派だろうね」
「AC/DCとディスコの出会い」と話題を呼んだ“タイフーンズ”はもうお聴きになっただろうか? ハード・ロック×ダンスの試みは、『ザ・ゲーム』期のクイーンを筆頭にこれまでも数々な成果を生んできた。しかし今作で、RBは看板であるしたたかなリフとパワー・ドラムの威力を損なうことなく、思わず腰が揺れる癖になるグルーヴとメロディックなポップさとに見事に統合している。
そもそも彼らはリズム隊のデュオだし、⑧にとどろくツェッペリンの影響――ツェッペリンはヒップホップ勢に愛されてきた――を考えても潜在的にファンキーさはあった。
しかしシンセを始め様々な色彩をまとって奔放に躍りダイナミックな咆哮も噴き出すこのアルバムを聴いていると、本能を解き放ったRBがロックに新たな活を入れたのを感じずにいられない。制作の経過や思いをマイク・カー(B/Vo)に訊いた。(坂本麻里子)
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