ポール・マッカートニーやノエル・ギャラガーをはじめとする150以上のアーティストが、ストリーミング・サービスの利益分配に関する法律改正を要求し、公開書簡に署名したことがわかった。
「BBC」によると、ミュージシャンズ・ユニオンによってまとめられた公開書簡は、ボリス・ジョンソン英首相に宛てられている。
その書簡では、「ソングライターは、ラジオの収益の50%を得ているが、ストリーミングではわずか15%だ」と訴え、「音楽の価値をあるべき場所、音楽制作者へ戻す」ために法律の改正を求めているという。
また公開書簡には、「ストリーミング・サービスがテクノロジーの変化のペースに合っておらず、その結果として、パフォーマーやソングライターはラジオと同じような保証を受けられていない」と綴られているとのこと。
ラジオで曲が再生されると、著作料はレコード・レーベルとアーティスト/ソングライターの間で均等に分配され、一部はセッション・ミュージシャンやバッキング・パフォーマーに支払われる。しかし、ストリーミング・サービスではレーベルが大半の金額を受け取り、アーティストは平均して約13%を手にし、セッション・ミュージシャンは何も受け取れないと説明されている。
続けて公開書簡では、「変化が必要なのは、1988年の著作権、意匠および特許法におけるほんのわずかな部分だ。これにより、今日(こんにち)のパフォーマーは、ラジオで受けているような収入の分配を手にすることができる」と訴えている。
この公開書簡には、ポールとノエルの他にデーモン・アルバーン、ケイト・ブッシュらも署名しているとのこと。
ここ近年、デジタル・文化・メディア・スポーツ省の特別調査委員会が、SpotifyやApple Musicといった大手ストリーミング・サービスによって生み出された数十億ポンドの利益が、どのように分配されているか証拠を収集して調査している。
なお、ポール・ウェラーも、最新作『On Sunset』がSpotifyで300万回再生された分配額が、1万ポンド以下だったと苦言を呈していると「Metro」で報じられていた。
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