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カーマイン・アピス(ベック・ボガート&アピスなど)
80年代まではロック界屈指のドラマーと誰もが評したカーマイン・アピスだが、特に有名なのは、ジェフ・ベックと72年から74年まで組んでいたベック・ボガート&アピスとしての活動だろう。もともとこのユニットでベースとボーカルを務めたティム・ボガートとも付き合いが古く、サイケ・ポップで有名なヴァニラ・ファッジのオリジナル・メンバーとしてリズム・セクションを支えたが、ふたりはその後ハード・ロック寄りのカクタスを結成するため脱退、さらにカクタスを脱退してジェフ・ベックと合流した。
スタイルとしては手数が多いのに大きくうねるようなダイナミックなグルーヴも同時に生み出す独特なスウィング感が魅力で、文句なしに聴いていて楽しいドラムだ。そうした意味でも、ジェフ・ベックとの活動が最も力を発揮できた場で、当時は日本のみのリリースとなった『ライヴ・イン・ジャパン』は特にカーマインの力量をよく示す音源だったし、そのためか日本ではファンも多かったように思う。なお、ベック・ボガート&アピスではリード・ボーカルとしても活躍した。
その後、カーマインはロッド・スチュワートのバンドに参加するほか活動は多岐に及ぶ。また、ティムと組んだリズム・セクションとして、Charやリック・デリンジャーらとそれぞれにCBA、DBAとして活動したりもしている。(高見展)
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