「ロック・ミュージック、ギター・ロックは、沈んでもしばらくすると再び浮上してくるんだ。不調な時期があっても、また必ず浮き上がってくる」
メジャー・デビューから2年、ついにインヘイラーのデビュー・アルバム『イット・ウォント・オールウェイズ・ビー・ライク・ディス』がリリースされる。
当初は「U2ボノの息子のバンド」という話題性が先行気味だった彼らだが、10代終わりから20歳にかけての成長期を全力で駆け抜けたインヘイラーは今、新世代によるルネッサンスが進行中のUK/アイルランドのロック・シーンを象徴する堂々たる若獅子に成長した。
デビュー・アルバムは彼らの10代のセンチメントを焼き付けた極上リリカルなギターや、ダンサブルなエレクトロ・ポップ、イライジャ(Vo/G)の伸びやかな歌声を存分に活かしたアンセミックなメロディ、さらにはジャムっぽいブルースからエクスペリメンタルな音響まで、予想以上にバラエティ豊かな内容に仕上がっている。
そしてその豊かなバラエティが、最終的に彼らのクラシカルなロック・サウンドの一部として消化されていく包容力に、このバンドのさらなる可能性を感じずにはいられないのだ。(粉川しの)
インヘイラーのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。