先行配信された“然らば”を聴いて僕は思わずガッツポーズをした。『アオのハコ』という青春を描いた作品にはっとりがちゃんと感化されて、そこからあの熱くて青い歌詞とメロディとサウンドが導き出されてきたことがたまらなく嬉しかったからだ。もちろん初期衝動がすべてではないし、原点回帰すりゃいいってもんでもない。だがこれまで培ってきたものをちゃんと踏まえたうえで、でも奥底にはちゃんと「これ」が燃えてるんだぜと、“然らば”は堂々と訴えていて、それはとても頼もしいことだと思った。がむしゃらが好きなんですよ。そうじゃないと偽物っぽく感じちゃう。もう30過ぎてんだよなって思うけど、燃えててほしい
そんな“然らば”を筆頭に4曲が集まった新作EPま抱きしめる 足りないだけを』は、どの曲もそうした熱を確かに感じさせる作品になった。今年デビュー10周年、自分たちにしか鳴らせない音を磨き上げながら、同時にどんどんがむしゃらになっているマカロニ、とてもいい。
インタビュー=小川智宏 撮影=フジイセイヤ(W)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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