今のマカロニえんぴつには迷いがない。そりゃ悩みはあるだろうが、少なくともこのバンドで音楽を作り鳴らすということに対する確信は、どんどん深まっている。現在開催中のツアーを観てもそう思ったし、そのツアーの最中にリリースされるニューEP『ぼくらの涙なら空に埋めよう』を聴いてもそう思う。ここに収められた全4曲、よくよく聴けば曲ごとにアイデア満載だし、突然初恋の先生のことを歌い出す“JUNKO”みたいな曲もあるのだが、そうしたアイデアやネタにドヤ感がまったくないというか、あくまでバンドとしていい音、いい曲を追求したうえでのさりげない味付けとして機能している。やっていること自体は変わらないが、そのバランスが、きわめて繊細で奥ゆかしいものになっているのだ。マカロニえんぴつというバンドの「かたち」をこれまでになくはっきりと描き出すこの4曲について、メンバー全員で語ってもらった。バンドって縛りがあるんですよ。この人数で表現するっていう。その中でイメージの先に行けると「バンド最強!」ってなる
インタビュー=小川智宏 撮影=島津明
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)
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