ジェイ・Z「オートチューン批判はカニエ・ウェストのアイディア」

レコーディングで用いられる音程補正ソフト「オートチューン」を批判する楽曲を作るというのはもともとカニエ・ウェストのアイディアだったとジェイ・Zが話している。

ボーカルの音程や楽器の演奏を補正するオートチューンやフェイズ・ボコーダーをかなり強く用いたカニエ・ウェストのアルバム『808’s&ハートブレイク』に対する回答として受け取られているジェイ・Zの最新シングル“D.O.A.(デス・オブ・オートチューン)”。

だが、9月11日にカニエのプロデュースによる『ザ・ブループリント3』をリリースするジェイ・Zは、オートチューンを批判する曲を作るというのはカニエが思いついたアイディアだと語っている。

「あいつがそのアイディアをひらめいたんだ」とジェイ・Zはビルボード誌に語る。「あのビートを聴いたときに、『うわ、これ、本当ハードだな! これはあらゆるものに反抗する曲にしなきゃ駄目だぜ。オートチューンだとか、ああいうもの全部にさ!』とか言ってたんだ。あいつは俺が(そのビートを使って)どういう曲を作るか、どういう風に持っていくか分かってなかったけど、(自分のアルバムが批判されるような曲ができたのは)あいつ自身のミスなんだ」

2人はジェイ・Zのアルバムのためにも数曲でオートチューンを使っていたが、“D.O.A.(デス・オブ・オートチューン)”を作った後で、それらの曲をすべてボツにすることにしたという。

「ヒップホップの世界における俺たちの仕事は、トレンドが単なるギミックに堕したときにそれを除去することなんだ。俺たちはそもそもの最初からそういうことをやってきたわけだ」とジェイ・Zは語る。「今は(ファースト・フードの)ウェンディーズのCMにさえオートチューンが使われている。それで『まあ大変、食べに行かなきゃ!』とかなるわけだな。もうメイン・カルチャーの一部になってしまったんだよ。ちょうどオレゴンの婆さんでさえ『ブリンブリン』って言葉を使い始めたみたいにね(「ブリンブリン」は元々ぴかぴかした宝石類を指すヒップホップ界のスラング)。そんなの『俺はもう二度とそんな言葉を使うもんか』って感じだろ?」

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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