ジョン・パワーがキャスト再結成を決定

キャストの元ボーカルで中心メンバーだったジョン・パワーはバンドを再結成させるつもりであることを明らかにした。

ラーズの元ベーシストとしても有名なジョンだが、キャストのギターのリアム・“スキン”・タイソン、ベースのピーター・ウィルキンソン、ドラムのキース・オニールと01年に解散して以来、初めて連絡を取り合ったとNMEに語った。

「もう10年近く経つのはわかってるんだけど、すごくいい感じだったよ」とジョンは今回の決断の経緯を説明する。「ぼく自身がすごくいいところに来ているから、各メンバーそれぞれに電話を入れて、またバンドとしてやりたいと思っていると打ち明けたんだ」。

ジョンは続ける。「ぼくがみんなに電話して、みんながその後わざわざぼくに会いに来てくれたなんて、そんなことが本当に起きるとは信じられないし、数年前のぼくだったら、笑い飛ばしてるだろうね。でも、ぼくのなかで今なにか新しい音楽的なものが湧き上がってきてるんだよ」。

ジョンが説明するには、今回キャストを再結成しようと決心したのは、新しい楽曲に取り組んでいるうちにそれがキャストにうってつけな作品だと気付いたからだという。

「なにかがね、ぼくの頭の中でふつふつと発酵している感じで、そのうち爆発しそうな感じなんだ」とジョンは熱っぽく語る。「今ちょうど書いている作品のひとまとまりはぼくに、かつてぼくがやってきたことと折り合いをつけさせてくれるような、そんな作品になってきているんだよ。あんまり先のことまで考えるのはよくないんだけど、でも、今回の作品の数々はきっとキャストにはまるんだろうなと思ってね。そこで、『だったら、また一緒にやろうか?』って思い立ったんだよ」。

ジョンはこれまでにキャストが解散してから、『Happening for Love』『ウィロウ・シー・ウィープス』『Stormbreaker』とソロを3枚リリースしてきたが、ここにきてまたキャストの楽曲に取り憑かれるようになったと説明していて、キャストのデビュー・アルバム『オール・チェンジ』が今年の10月にリリース15周年を迎えるにあたって、また、キャストの楽曲を演奏するいい機会だとも思い立ったそうだ。

「5年前だったらキャストの曲をやるなんてとうてい無理だったろうけどね。やったら吐いてしまうくらいだったと思うよ」とジョンは説明する。「もう近づくことさえできない感じだったからね。自分と曲との繋がりが失われたように感じていて、だから、新しいものをいろいろ書いていたわけで、当時のぼくはそういうところにいたんだよね。でも、なにかが変わって、またあのキャストの頃の楽曲が好きになれたんだよ。キャストの楽曲がどれだけアンセムになっていたのか、自分でも忘れてたんだよね」。

「タイミングもすごくいいと思うんだよ。ファーストが出てから15年も経ってるわけだから、前向きにまたキャストの曲を懐かしく思ってくれる人はいると思うんだ」

95年にリリースされた『オール・チェンジ』は100万枚以上のセールスを誇るアルバムとなり、“ファイン・タイム”“オールライト”“サンドストーム”“ウォーク・アウェイ”と収録曲4曲がどれもチャート・トップ20に入るヒット・シングルとなった。

その後もキャストは97年の『マザー・ネイチャー・コールズ』や99年の『マジック・アワー』で活躍したが、01年の『ビート・ルート』の成績が芳しくなく、リリース後間もなくしてバンドも解散した。

また、ジョンはそもそも自分がメンバーでもあったザ・ラーズの活動再開も将来的に起こりうるとほのめかした。

「この間リー(・メイヴァース。ラーズの中心人物)とも会ってたんだよ」とジョンは語る。「ラーズに関してはね、物理的に無理だとしても、気持としてはいつだってメンバーのひとりだっていう気分だよ。というのはラーズでやったことはぼくの心のなかを変えたし、一生そういうものとして存在し続けるはずだからね。キャストの楽曲と同じようにね。だから、ラーズかキャストかっていうことじゃないんだよ。どれもすべてがぼくの一部であって、こうしたことがすべて形となるためにぼくはできる限りのことをやるっていうことなんだ」。

(c) NME.COM / IPC Media 2010
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